はじめに

日本を代表する一流企業のお客様先も多い ACST-CS 株式会社様。
少数精鋭であるが故に営業活動が属人化している状態でした。そこで、属人化を解消し営業プロセスを見直すため、まずは名刺管理から着手し、ユーザーがシステムに慣れてきた段階でSalesforceを導入。案件入力や、活動管理など順調に活用を行っています。
Salesforce導入の決め手や、どのように活用をすすめているのか、導入後の状況などの具体的なお話を伺いました。

サマリ

問題点
  • 顧客情報が共有されておらず社内共有に不要な労力がかかる
  • 案件管理が属人化しており、案件情報がリアルタイムに把握できない
  • タスク管理が個人任せになっており個々のタスクの可視化ができていない
  • 案件ごとに次のアクションが明確化されておらずプロセス管理に手間がかかっている
解決策(導入のポイント)
  • 名刺管理ツール(SmartVisca)でキーマン情報をリアルタイムに共有
  • 社内共有SNS(Chatter)に案件のやりとりを集約することで案件情報を見える化
  • Salesforceと連携したタスク管理機能(mitoco)で個々のタスクを一元化、所属長は適切なタイミングでフォローが可能に
  • 成約までに必要なプロセスを明確化し、営業プロセスを最適化
今後の展望
  • 行動管理から売上管理まで、Salesforceを用いて営業プロセスを一気通貫で見える化していきたい
  • Salesforceのノウハウや使い方の気づきをフォローしてもらいながら活用していきたい
導入サービス・製品  SalesforceSmartVisca、mitoco

企業プロフィール

人物写真
情報システム室 室長  松本 祥吾 様

企業名:ACST-CS 株式会社

取材ご対応者:情報システム室 室長  松本 祥吾 様
(所属は取材した2023年11月時点)

主要事業内容:化学品・電子材料・合成樹脂・水処理及脱臭等公害関係
                        薬品並びに設備機器の国内販売および輸出業務
本社所在地: 大阪府大阪市中央区
創業:1927年
設立:1940年
代表者:代表取締役社長 常深 誠
従業員数:50名(2023年11月現在)
URL: https://www.acst-cs.co.jp/

インタビュー

背景・課題

ACST-CS株式会社様は90年以上の歴史を誇る化学工業薬品の専門商社で、素材から先端分野までを幅広く担っている。
今回、名刺管理からSalesforceという二段階での導入に至った経緯をプロジェクトメンバーのお一人である情報システム室室長の松本祥吾様にお話を伺った。

―――はじめに、貴社の事業や、松本様の平素の業務をお聞かせください

「国内外の取引先に、生産工程や新製品開発等に必要な薬品や設備機器などを提供するのが主な仕事です。商社である私たちは製品の受注販売に留まらないプラスαの付加価値をご提供することを心がけ、多くのお客様の信頼を獲得し、パートナーシップを築いています。
私自身の業務内容は多岐にわたり、情報システム室の一員でもあり、営業支援を行う推進グループの一員でもあります。Salesforceの導入にあたっては情報システム室と推進グループの両面から検討していました」

社内の情報連携に時間と労力がかかり、顧客情報と案件情報の可視化が急務だった

―――Salesforceのご検討をいただいていた背景をお聞かせください。

「Salesforceについては提案をいただいていたので存在は知っていましたし、CRM・SFAとしてのシェアが高いことも知っていました。しかしながら実際に具体的な検討は進めていませんでした。
そんな中で、現場からも社内の情報連携に時間と労力がかかっているという声があがってくるようになり顧客情報と案件情報の可視化を行っていく必要がでてきました。
また社内でのタスク管理が個人任せになっており個々のタスクの可視化ができていないという声もあり、今までは全体で行っていなかったタスク管理を一元化して行う必要がでてきました。その他にも、Excelなどで管理している項目も多く、営業活動することに手間をとられている状況でしたので、営業活動に集中できる環境づくりをしていく必要がありました」

導入までのプロセス

名刺管理による顧客情報の可視化

―――Salesforce導入の前にSmartViscaも導入いただいていますが、まずはSmartVisca導入前の状況から教えてください。

「当社では第一段階として名刺管理のSmartViscaを導入。その後、第二段階としてSalesforceを導入しました。いきなりSalesforceでは敷居が高い気がしたので、まずは名刺管理から始めて、そこに活動や商談を紐付けていけるようなステップアップしていく運用ができないかと考えていました。

SmartVisca導入前は、名刺は個人でファイリングし保管をしていました。一部の社員は無料の名刺管理ツールの利用をしていましたが、全員での情報の共有が上手くいっていませんでした。
この会社では誰がキーマンだとか、役職の変更があったという情報は名刺を交換した人しか分からず、情報を確認する時は知っていそうな人を探して聞くという労力がかかっていました。
ただ、課題とは感じていたものの、システムでどう解決できるのかの具体的なイメージまでは持っていませんでした。
そんな時、御社(コネクシオ)でも利用しているということからSmartViscaを紹介いただき、そこから2021年にSmartViscaを導入しました」

名刺管理が定着してきたタイミングでSalesforceにステップアップ

「SmartViscaを導入した直後は、名刺を社員で共有するという文化がなかったり、カメラやスキャナで取り込むという作業に慣れていなかったりと、定着に少し時間はかかりました。名刺交換を行った場合は、システムに取り込んでデータにしてください、と半年ぐらいは声を掛けながらやってもらい、それが徐々に定着し、顧客情報を社内共有出来るようになりました。
顧客情報の管理ができるようになってきたので、次に担当者が新規案件に力を入れることができる環境づくりを行いたいと考えました。
煩雑になっている案件情報を一か所で管理し、営業活動を増やせるようにしたいと思い、それをSalesforceで行うことを検討しはじめました。
また、個々のタスク管理についても顧客管理が出来るようになった段階で、同じく進めていこうと考えました。案件ごとにタスクや期限、進め方の手順がかなり違うこともあり、誰が何をいつまでの期限で行っているのかを分かるようにすることで、全体の最適化が出来ると考えました」

―――Salesforceの導入を検討しようとなったのはいつ頃でしょうか?

「SmartViscaに顧客情報を取り込んで共有するということが定着した頃、次のステップに進めると考え2022年10月頃にご相談させていただきました」

「Salesforce」選定の決め手

―――Salesforceの導入にあたりポイントと考えていたのはどんなことでしょうか。

「Salesforceの導入にあたって重要視していたポイントは、新規の案件をしっかりと共有し、成約までのプロセスを明確にして、次のアクションを抜け漏れなく行えるようになることでした。
また、属人化の解消を大きなテーマとして意識していました。顧客のカルテがSalesforceの中に出来上がっていくことをイメージし、担当が変わってもしっかり引き継ぎができるというのは大切なポイントでした」

―――実際に弊社からの提案で、実現したいことに対してのイメージが湧きましたか?

「そうですね。新規案件のプロセスの棚卸をしっかりしていただきましたので、改めて社内で提案をするにあたっての重要なポイントを再認識できました。非常にわかりやすい提案資料も作成いただけましたので、社内で説明する際にも使えるもので、貴重な資料を一緒に作っていただいたと思っています」

「Salesforce」をコネクシオから導入した経緯

―――最終的に弊社から導入いただいた決め手はなんだったのでしょうか?

「先ほどもお話ししたように、今回の導入は二段階になっていて、名刺管理から営業支援ツールにステップアップしていく内容でした。一気に最終目標ではなく、まずは名刺管理、それができたらSalesforceで案件管理…そしてその先というように具体的なステップも見据えながら今どこに力を置くべきかを一緒に考え、当社のニーズに合うようなご提案をいただけたのが大きなポイントです」

導入効果

―――導入後の利用状況や、導入後の変化についてお聞かせください。

「現在はSalesforceを用いて下記の使い方をしています。

  • 名刺情報の共有(SmartVisca)
  • 取引先情報、担当者の管理
  • 個々のタスク管理(mitoco)
  • 新規開発案件の登録
  • Chatterを活用した案件についてのコミュニケーション

今は社員のスケジュールが分かりやすく共有されるようになっているので、どんな行動をしているのかがよくわかるようになりました。それに合わせ、企画開発や製品開発の案件管理を行っています」

導入から約3ヶ月で120件の新規案件をデータ化

「案件管理を始めたことで見えていなかった新規案件が可視化できるようになりました。徐々に案件数が増えている状態です。また、成約までのプロセスを明確化したことで次に必要なアクションが判断できるようになり、案件に対するフォローの方法も変わってきています。
今まで担当個人で抱えながら新規案件をすすめていたものが、会社組織として取り組んでいけるような体制になりつつあります」

個々のタスク管理を実現、組織的なフォローも可能に

「タスク管理は今までは頭の中で優先順位を決めていたものが見えるようになり、持っているタスクの期限や、抜け漏れがないよう運用できるようになってきました。また、見えるようになったことで、所属長がフォローアップができるようになってきているので、大きな良い変化だと感じています。一方で活用には個人差がでてきているので、それは課題です」

―――どんなところで差がでてきていらっしゃるのでしょうか?

「Salesforceの利用部署が営業グループと推進グループに分かれているのですが、推進グループは既存製品の販売が中心の部門になっていて、そこではかなりタスク管理が活用されてきています。営業グループはどちらかというと新規案件の取り扱いが多い部門なので、タスク管理の使い方も少し違っています。
今後、組織文化として両組織に定着するようにサポートしていきます」

時系列で案件情報を集約。コミュニケーションの効率UP 案件の状況をChatterで共有・確認

「今後の目標としては、やはり案件数の進捗をしっかりと見ていきたいです。前年比件数や成約率を増やし、Salesforceを導入して良かった!というところにもっていくのが目標です。 8月頃から担当毎にフィードバックしているのですが、3か月使ってみて変わってきているというのが担当者としての感覚です。
入力のない人には濵田さんがどうなっていますか!と担当者を追いかけまわしています」

―――それは大変ですが大切なことですよね!
           実際に濵田様(営業部 濵田 知弥 様)はSalesforce導入後いかがでしょうか?

「それこそ先ほどお話あったように、全体として浸透しているレベル感はまちまちです。私や松本は、Salesforceを活用していくぞという熱意はあるのですが、それがまだ現場には届いていないところもあります。徐々に浸透させていって、何事も統一化してSalesforce上で全てを行えるようになっていければと考えています」

―――濵田様としてはSalesforceの特にどこを使いこなしてほしいですか?

(濵田様)「Chatterは特に気に入っています。活動や案件があってそれにスレッドとして紐づいているので、やり取りの流れが理解しやすく、自分の中の備忘録にもなります。メールだとまずは探すところから始まりますが、それがChatterだとひとつの箱の中で流れが全部見えて把握しやすいです。だからもっと使ってもらって、便利だと思ってもらいたいですね。 SNS的感覚が強くて、日常的に何かあると通知がくるシステムに慣れているので使いやすいです。
ただ、もちろん会社組織なので慣れていない方からすると、浸透しきれていない部分はありますね」

(松本様)「個人差はありますが、個別授業のような形でしっかりフォローすれば使ってくれるようになってきています。もう少し時間はかかるかもしれないですが、そんなに心配はしていないですね。何よりやりとりをスレッドで追えるのは本当に重宝しています」

今後の展開・期待

行動管理から売上管理まで、Salesforceを使い見える化していきたい

―――今後の展開や、実現したい目標をお聞かせください。

「現在売上管理は別のシステムをつかっているのですが、ゆくゆくはそれもSalesforceで見ていきたいです。そうすることでSalesforceの中で、行動管理から売上管理までできるようにしていきたいという目標はあります」

Salesforceのノウハウや使い方の気づきを沢山得ていきたい

―――当社に期待することがあればお聞かせください。

「運用開始はしたものの、まだSalesforceの使い方は勉強不足なところも多いです。
ぜひ御社には、今後もSalesforceのノウハウや、こういう切り口で見ていったほうが良いというアドバイスや気付きを沢山いただけたらと思っています」

※インタビュー内容、所属は取材した2023年11月時点のものです。

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