クラウドサービスの活用には、さまざまなメリットがあります。テレワークの実現に向け、多くの企業でクラウドの導入が進みました。一方「なんとなく」各種サービスを導入している企業では、クラウドの恩恵を最大化できていない恐れがあります。
改めて、クラウド活用による5つのメリットを確認しましょう。
可用性の向上
クラウドを活用すると、システムの可用性が向上します。「可用性(Availability)」とは、システムが継続して稼働できる能力のことを指します。
たとえば企業の基幹システムや物流を制御するサプライチェーンマネジメントシステム、金融機関の勘定系システムなどの場合、10分のシステムダウンが大きな損害につながるため、企業は可用性を担保するために莫大な費用を投じていました。
クラウドサービスを活用することで、過剰な投資を抑えつつ、可用性を担保することができ、BCP対策等にも有用です。
利用・導入に向けた柔軟性
クラウドサービスの導入によって、ITリソースの利用・導入における柔軟性の向上も期待できます。
オンプレミス環境などで何か新しいITソリューションを稼働させようとした場合、あらかじめ最大稼働のケースを想定しサーバーの見積もりを立てることになります。よって、稼働後にコンピューターリソースの大半を使わないケースがほとんどだったり、逆に想定外のリソースが必要になると追加のコンピューターリソースを検討する必要があったりするなど、手間とコストのかかるオペレーションが前提となります。
一方でクラウドサービスの場合は、必要なコンピューターリソースを簡単に追加したり、逆に不要なものを削除したりできるため、より柔軟にIT資産を運用できます。
セキュリティの最適化
多くのクラウドサービスでは、一定のセキュリティ水準が担保されており、その強度についても複数のプランごとに設定されています。つまり、サービスやプランを選択することで、自社に最適なセキュリティレベルを“柔軟に”選択することが可能と言えます。
ビジネス環境への適応力向上
クラウドサービスでは、常に最新のテクノロジーを吸収して機能を実装しています。ユーザーが新しくIT投資等を行わなくとも多様な最新機能を活用できる拡張性を持つため、機能を毎回自前で追加する必要のあるオンプレミスと比較すると、日々変化するビジネス環境への適応力が向上すると考えられます。
生産性向上
クラウドサービスを活用することで、場所を問わずに多くのITリソースを活用・共有できるため、従業員の生産性向上に寄与します。たとえばリモートワークの実現は、クラウドサービスの活用なしでは難しいでしょう。