はじめに

婦人向けのファッションブランドを展開し、全国に約300店舗を擁する株式会社レリアンは全店にLINE WORKSを導入し、出店先の百貨店から承諾を得たうえでお客様のLINEと連携。各店舗のスタッフがトークで心のこもったコミュニケーションを実践するとともに、購買履歴などを踏まえて個々のお客様に特化した販促活動を行うことでコロナ禍の苦境を脱し、その後も有力な販売チャネルとしてLINE WORKSを活用しています。同社の取締役 営業部門長の中川さんと伊勢丹新宿店 店長の村杉さんに、LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。

サマリ

課題
  • 店からの電話やDMなどを歓迎されない方の増加
  • スタッフ個人LINEによるお客様とのつながりのセキュリティ面の課題
導入後
  • お客様のLINEとつながりチャットや動画による販促、接客を実践
  • 対面が難しい状況でも売上の伸長、顧客満足度向上に貢献
  • DMの作成・発送などの経費削減にも役立つ
コネクシオから導入いただいた理由
  • LINE WORKSの導入を検討し、スマホのキャリアに相談したところコネクシオを紹介される。 他社への導入実績などからの信頼感でコネクシオをお選びいただいた。
ご利用サービス
  • LINE WORKS


株式会社レリアン 様

  • 主要事業内容: アパレル事業 婦人向けファッションブランド
  • 本社所在地: 東京都目黒区
  • 設立:1968年
  • 代表者:代表取締役社長 福垣 学
  • 資本金:1億円
お話を伺った株式会社レリアン取締役 営業部門長 中川 正様
お話を伺った株式会社レリアン取締役 営業部門長 中川 正様。レリアン東日本営業部、レリアン西日本営業部、ランバン営業部、アウトレット事業部、販売推進部からなる営業部門全体を統括。

インタビュー

背景・課題

御社の事業内容をご紹介ください。

「1968年創業の当社は、ミセス~ハイミセス層のお客様をメインターゲットに婦人既製服の販売を行う伊藤忠商事の出資会社です。洗練・気品・女性らしさをコンセプトとする「レリアン」をはじめとする7つのファッションブランドを展開し、全国の百貨店などに約300店舗を展開。中国、台湾にも出店するほか、自社オンラインショップやオンラインショッピングモールでのECにも力を入れています。」(中川氏)

これまで抱えておられた課題と、その解決のためにLINE WORKSを導入された経緯をお聞かせください。

「当社では各店舗の担当者が新着商品を電話やDMでご案内したり、お買い上げに対するお礼状を差し上げたりして密接なコミュニケーションを図ることで、お客様との関係を深めてきました。しかし最近は、店からの電話やDMなどを歓迎されない方が増えつつあり、旧来の方法に替わってお客様にアプローチする手段を模索するようになりました。」(村杉氏)

「そんな中、ある店舗の店長がLINEでお客様に販売を促進していることが明らかになりました。そのお客様はまったくご来店されることがないにもかかわらず、店舗はかなりの売上を上げていたことを知った社長が、お客様とLINEでつながる取り組みをできるだけ多くの店舗に拡大することを検討しました。しかし情報セキュリティの観点から、スタッフの個人アカウントでお客様とLINEとつながることをルール化することには抵抗がありました。そこで注目したのが、LINEとセキュアにつながることができる外部トーク連携機能を備えたLINE WORKSでした。」(中川氏)

村杉 由香様。伊勢丹新宿店に出店しているレリアンの店長を務める。

選定プロセス

LINE WORKSの導入に至った経緯をお聞かせください。

お客様のLINEと連携することに対して、百貨店はどのような反応を示しましたか。

「百貨店は顧客情報の取り扱いにナーバスで、店舗がコミュニケーションを取るためにお客様のLINEとつながることを認めた前例はその時点でありませんでした。しかし社会全体のデジタル化が進む中、コミュニケーションツールの有効活用なくして事業の未来はないと考え、店のLINE WORKSとお客様のLINEがつながることを認めてもらえるよう各百貨店にお願いしました。

交渉には苦労しましたが、”LINE WORKSとLINEのやり取りに関するお客様の同意書面を作成して保管する”、”LINE WORKSアプリの入った端末を売場外に持ち出さず、閉店時は鍵付きキャビネットに保管する”、”お客様とのやり取りは百貨店の営業時間中に限り、営業時間外に届いた連絡・注文等には翌日の営業時間に対応する”、”定期的にログ監査を行う”といった取り決めを設けることで、多くの百貨店から承諾を得ることができました。

そうして2018年6月より、LINE WORKSアプリをセッティングしたスマホを全店舗に支給。基本的に1店舗1アカウントを配付し、複数のスタッフが共用しています。スタッフ間の連絡には既存のコミュニケーションツールを使い、LINE WORKSはお客様のLINEとのやり取りに特化させることで、情報を整理して把握できるように配慮しました。万一にも個人情報が流出しないようグループはつくらず、店舗とお客様が1対1でトークのみをする前提での運用です。」(中川氏)

現在約70店舗で運用。今後さらに多くの店舗に拡大する予定

導入効果

お客様の反応・友だち登録の促進

LINE WORKSとつながることへのお客様の反応はいかがでしたか。また、友だち登録をどのように促されましたか。

「ハイミセス層のお客様もお孫さんなどとLINEでやり取りされていることが多く、店舗とつながることにまず抵抗感を抱きませんでした。店からの案内を電話ではなくLINEで受け取りたいと思われる方は、実際かなりいらっしゃるように感じられました。」(中川氏)

「私が店長を勤める店舗には2台のスマホが支給され、2019年5月にLINE WORKSの運用を開始しました。当初、10名ほどのスタッフでどのくらいの人数のお客様に、LINEで対応できるかわかりませんでしたが、友だち登録していただいたお客様が100名に達しても支障なく対応できたので、それ以降はお客様に配布するさまざまな印刷物などにQRコードを付して友だち登録を促進しました。現在、400名近いお客様のLINEとつながっています。」(村杉氏)

店舗では、LINE WORKSを接客や販売促進にどのように活用していますか。

  • 写真やスタッフの試着動画で商品特性を丁寧かつ迅速に訴求
  • 一人ひとりのお客様に特化した効果的な販促活動を実践
  • お客様に届いた商品の不具合への対応速度が向上

「導入後しばらくは店舗間でLINE WORKSの活用度に差が見られましたが、コロナ禍となって以降、すべての店が積極的に利用するようになりました。緊急事態宣言下で百貨店が休業し、営業が再開された後も来店される方が大幅に減って売上が落ち込む中、LINE WORKSはお客様とのつながりを保つ有用な手段となったからです。」(中川氏)

「新宿伊勢丹店では接客の手が空いた時間を活用し、トークでデジタルカタログをお送りするほか、各担当者からそれぞれのお客様の嗜好に合わせた商品の写真や動画を添えたメッセージを適宜お送りしています。着心地や着用イメージを伝えるために実際にスタッフが試着しながら特長を説明する動画を店舗で撮影して、お送りしたりする取り組みを実践しています。

不特定多数の方に送付するDMではなく、購買履歴などを踏まえたそのお客様のためだけのご案内なので非常に有効な販促手段となり、現在当店の売上の5%ほどはLINE WORKSがもたらしてくれています。地方にお住まいの方に情報を素早く発信できるのもメリットで、以前は商品の写真をプリントして郵送していましたが、トークならそのような手間もコストもかかりません。

商品のお直しができたことのお知らせやお客様の来店予定のご連絡なども、LINE WORKSにつながったお客様には手軽にできるようになりました。接客中だと応答できない電話と違い、トークなら用件を確実にお伝えでき、お返事もあとから確認することができます。お客様のご来店に合わせて担当者がその時間に合わせて準備ができますので、より万全の接客ができるようになりました。」(村杉氏)

「商品に不具合があったことを、写真とともにお伝えいただくこともあります。画像を見ればどこにどんな不備があったかが一目瞭然ですし、その写真を本社の品質管理部に転送することで、クレームへの対応が以前よりスピーディになりました。」(村杉氏)

お客様が店への連絡事項を気軽に伝えられるのもメリット(イメージ)

他店舗での活用

他の店舗での活用やLINE WORKSの導入効果をお聞かせください。

  • 約30秒メッセージムービーでお客様の誕生日を祝い、交流を深める
  • LINEを活用した接客が売上に貢献
  • 外商のLINE WORKSとスタッフがつながり商品情報を共有

「お客様のお誕生日にスタッフたちが祝福の言葉を述べる短い動画を送信することで、当社の特長である心の通った接客をデジタルで実践した店舗もありました。そうした好事例を全社に水平展開し、LINEでつながった1人ひとりのお客様に丁寧な接遇を心がけることで、どうにか売上を維持することができました。」(中川氏)

 

 

個々のお客様にお勧めしたい商品を画像や動画とともに案内

「お客様の中には、自ら店舗に足を運ばれることはなく、百貨店の外商担当者からお買い上げいただいている方もおられます。外商担当がLINE WORKSのユーザーだったので、その担当者のLINE WORKSと外部トーク連携でつながり、当社作成のデジタルカタログやお勧め商品に関するご案内をお送りするという取り組みも行っています。

LINE WORKSでお客様とのつながりを保たなければ、コロナ禍を生き抜くことは難しかったかもしれません。感染状況が少し落ち着いた今でも重要な販促ツールとして定着しており、お客様がトークで購入の意志を示されたことで計上される売上は、全店舗合わせて月に2,000万円ほどに上ります。LINE WORKSによるコミュニケーションがご来店を誘発したことを考慮すると、売上効果はその2~3倍はあるものと推測されます。」(中川氏)

お客様のLINEとつながる

今後の展開・期待

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。

「友だち登録されたお客様は私の店舗に400名様ほどいらっしゃいますが、日頃からやり取りをするお客様は全体の3割程度にすぎません。より多くのお客様とのコミュニケーションを密にすることが今後の目標です。」(村杉氏)

「毎月の店長会でLINE WORKS活用に関する優良事例を共有していますが、そうした活動を持続して、全店舗の活用レベルをさらに引き上げていくつもりです。 当社は紙のDMの制作と発送に大きなコストをかけています。セキュリティ面に配慮し、現状では友だち登録されたお客様にメッセージを一斉に送れない仕組みにしていますが、将来的にはLINE WORKSでデジタルDMや催事のご案内などを一斉送信できるようにすることで経費節減にも役立てたいと思っています。」(中川氏)

※本取材内容、所属部署等は取材を実施した2021年11月当時の情報です。

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