【MDM・EMMアプリ7選】社用携帯の管理におすすめなツールを紹介

外出中の従業員の業務効率化や、テレワークをはじめとした柔軟な働き方を実現するために、今や欠かせない存在となった社用携帯。企業から支給するケースだけでなく、従業員の個人端末を業務利用する「BYOD(Bring Your Own Device)」を導入する企業も増えています。
しかし、利便性が高まる一方で、紛失・盗難による情報漏えいや、不正アクセス、業務外利用といったセキュリティリスクが常に付きまといます。
これらのリスクを最小限に抑え、安全かつ効率的にモバイルデバイスを運用するために必須となるのが「MDM(モバイルデバイス管理)ツール」です。
本記事では、社用携帯のセキュリティ管理を担当する情シス・IT担当者様に向けて、MDMの基本機能や選び方のポイント、そして2026年現在おすすめのMDM・EMMツール7選を徹底比較してご紹介します。
社用携帯の管理者の永遠の課題はセキュリティ
社用携帯は社外からいつでもどこでも重要な情報にアクセスできる利便性がある一方で、紛失や盗難、不正アクセス、マルウェア攻撃といったリスクがつきまといます。
最悪のケースでは、不正利用されて顧客情報などの機密情報が漏えいすることも考えられるでしょう。
しかし、社用携帯を常に持ち歩く以上、これらの事故の可能性をゼロにすることはできません。
導入に際して、セキュリティ対策は必須といえるでしょう。
年々増加する情報漏えい。その原因は?
東京商工リサーチによると、2025年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、180件158社にのぼっています。[※1]
原因別では、「ウイルス感染・不正アクセス」の116件(構成比64.4%)が最多で6割以上を占め、次いで「誤表示・誤送信」が37件(同20.5%)、「紛失・誤廃棄」が18件(同10.0%)となっています。
特に近年、サイバー攻撃は激化の一途を辿っており、ソフトウェアのアップデートやセキュリティ対策ソフトの導入はもちろんですが、情報管理の意識欠如を含めた人為的な理由での漏えい事故を防ぐために定期的な従業員のリテラシー向上の工夫も必要となります。
MDM(モバイルデバイス管理)とは?
MDM(Mobile Device Management)とは、組織で使用されるスマートフォン、タブレット、PCなどのモバイルデバイスを、管理者がネットワーク経由で一元管理するためのシステムです。日本語では「モバイルデバイス管理」と訳されます。
MDMを導入することで、情報漏えいのリスクを低減するだけではなく、管理担当者の負担を軽減することも可能となり、より柔軟で多様な働き方を実現できます。
MDMの主な機能一覧
MDMを導入することで、具体的に以下のような機能を活用できるようになります。
項目 | 具体的な機能 |
紛失・盗難対策 | 遠隔操作による端末のロック(リモートロック)、データ初期化(リモートワイプ)、GPSによる位置情報特定 |
利用制限・制御 | 業務に関係のないアプリのインストール禁止、カメラやスクリーンショットの制限、Webフィルタリングによる不正サイトへのアクセス遮断 |
設定の一括配信 | 社内Wi-Fiの設定、VPN設定、セキュリティポリシー(パスワードの複雑さや有効期限など)の遠隔一括適用 |
アプリケーション管理 | 業務アプリの配布/更新 |
資産管理(台帳作成) | OSのバージョン情報、インストールされているアプリ一覧、端末のシリアル番号などの自動収集・一元管理 |
EMM・MAM・MCMの違い
MDMと似たものに、EMMやMAM、MCMがあります。
これらの違いを正しく理解することは、自社に必要なツールを選ぶ上で非常に重要です。
EMM・MAM・MCMについてご説明します。
EMM(エンタープライズモビリティ管理)とは
EMM(エンタープライズモビリティ管理)とは、MDMの機能のほか、MAM(モバイルアプリケーション管理)、MCM(モバイルコンテンツ管理)の機能も統合された仕組みです。
セキュリティ強化と同時に従業員の生産性向上が期待されています。
MAM(モバイルアプリケーション管理)とは
MAM(モバイルアプリケーション管理)とは、端末全体ではなく、特定の「業務アプリ」とそのデータだけを管理・制御する仕組みです。
BYODの際は、プライベート領域と業務領域を分離するのに役立ちます。BYODでは端末全体を縛るMDMより、業務アプリ領域だけを制御できるMAM中心が適しているでしょう。
MCM(モバイルコンテンツ管理)とは
MCM(モバイルコンテンツ管理)とは、社内ファイルやデータへのアクセス権限を管理する仕組みです。特定アプリ以外での保存や共有、コピペを禁止することが可能です。
MDM、MAM、MCMの違いを理解のうえ、現場の利用形態とセキュリティ要件を先に整理し自社に最適なツールを選定しましょう。
以下の記事では、EMMとMDM、MAM、MCMについて違いを解説していますのでぜひご覧ください。
失敗しないMDMツールの選び方
数多くのMDMツールの中から、自社に最適なものを見極めて導入後のミスマッチを防ぐための4つのポイントを解説します。
対応OS
自社で現在利用している、あるいは将来的に導入予定のOS(iOS、Android、Windows、macOS)をすべて一元管理できるか確認しましょう。
特にAndroidはメーカー独自仕様もあるため、対応機種範囲と制御できる項目(アプリ配布、紛失時ロック/ワイプ、証明書配布など)まで確認する必要があります。
また、初期設定のキッティング工数を削減するためにも、Appleが提供する「ABM(Apple Business Manager)」や、Googleの「Android Enterprise」といった、端末導入を自動化する公式プログラムとスムーズに連携できるかも重要です。
機能
自社に必要な機能が備わっているMDM製品を選定しましょう。
MDMは、遠隔操作による利用状況の把握や第三者の不正利用対策など、できることが多岐にわたります。運用開始後に「やりたかった制御ができない」とならないように、あらかじめ自社に必要な機能を検討しておきましょう。
サービス形態の選び方(クラウド型/オンプレ型)
MDMの提供形態は、現在主流の「クラウド(SaaS)型」と、社内にサーバーを構築する「オンプレミス型」の2種類があります。
クラウド型はサーバー管理が不要で、拠点が多い企業でも早期導入しやすく、OS更新への追随もベンダー側で対応されやすいのが利点です。
一方オンプレ型は、社内規程で外部クラウドが使いにくい場合や、閉域網・独自認証基盤との連携、データ保管場所の指定が必要な場合に向きます。
スピードと運用負荷を重視するならクラウド型、要件の厳しさや自社統制を優先するならオンプレ型が選択しましょう。
サービス形態 | メリット | デメリット | おすすめ企業 |
クラウド型 | ・サーバー管理や保守が不要 ・初期費用を抑えやすく、早期導入が可能 ・OSのアップデート対応をベンダーが自動で行う | ・ベンダー側の障害による影響を受ける ・データの保管場所やネットワーク要件の確認が必要 | ・導入スピードと運用負荷の軽減を最優先したい企業 ・テレワークなど複数拠点での利用が多い企業 |
オンプレ型 | ・社内ネットワークや閉域網と密に連携できる ・自社専用の厳格な統制や独自認証を組み込める | ・初期の構築費用が高額 ・サーバーの維持管理、冗長化、アップデート対応が自社負担 | ・社内規程で外部クラウドの利用が制限されている企業 ・金融機関や官公庁など、データの置き場所を厳密に管理したい企業 |
おすすめのMDM・EMMツール7選
社用携帯などのモバイルデバイスを一元管理が可能となるMDMツールをご紹介します。
おすすめのMDMツール4選
まずはおすすめのMDMツールを4つご紹介します。
【1】CLOMO MDM
MDM市場でNo.1のシェアを誇るサービスであるCLOMO MDM。
簡単な操作性で、管理者がスムーズに社用携帯の一括管理をできるようになります。万が一スマートフォンに利用ポリシー違反やセキュリティ違反が見つかった場合には、自動で違反を検知してユーザーと管理者に通知します。
管理者が従業員の不正を常時監視する手間が省けるのがメリットです。ほかにも、Wi-Fiの利用制限や、パスワードの失敗回数制限など、セキュリティ強化のために細かな設定ができるのも特徴といえます。
【2】OPTiM Biz
OPTiM Bizは、社用携帯のセキュリティ対策を講じるとともに、従業員の業務効率の低下を防ぐのに役立つMDMです。
遠隔操作でスマートフォン端末のロックやデータの消去ができるため、情報漏えい対策としてセキュリティの強化ができます。その一方で、社用携帯による業務とは無関係なアプリの利用やWebの閲覧に制限をかけることで、私的利用を防げるのが特徴です。従業員を本来の業務に集中させると同時に、業務上必須であるセキュリティ対策もカバーできます。
【3】mobiconnect
ビジネスシーンだけでなく、教育現場でも活用されているmobiconnect。
ITが苦手な管理者でも、直感的に操作しやすい画面構成で、多数の端末を一括で管理できるのが魅力のツールです。
万が一、端末を粉末したときの情報漏えい対策ができるのはもちろん、オプションプランではWebフィルタリングやアプリ管理も利用可能となっています。
アプリ管理を利用すれば、すべての端末に一括でストアアプリや社内アプリの配信が可能で、業務効率の向上が期待できるでしょう。
【4】SPPM3.0
SPPM3.0は、マルチOSに対応したMDMです。
各端末の資産状況やセキュリティ状態は、直感的で分かりやすい管理画面から一元的に把握可能です。
基本機能となるプランでも、紛失トラブル時のリモートロックやワイプ、デバイスの利用制限、パスワード強制といった必須のセキュリティ対策を網羅しています。
基本サービス料金の中には、標準で24時間365日対応の緊急時操作代行が含まれています。
おすすめのEMMアプリ3選
EMMは「MDM(端末管理)+MAM(アプリ管理)+MCM(コンテンツ管理)」が一体で運用できる製品を選ぶと失敗しにくいです。
導入時は、管理対象の範囲、コンテナ分離、ログ監査、役割別権限、オフライン時のポリシー適用可否まで確認して選定しましょう。
【1】FENCE-Mobile RemoteManager
FENCE-Mobile RemoteManager は、モバイルデバイスのセキュリティを一元管理するサービスです。スマートフォンの紛失や盗難対策だけでなく、資産管理、アプリ管理機能、不正利用対策など、様々な機能を搭載しています。
デバイスのOSを問わずポリシーの一括設定やリモートロックワイプが可能なほか、運用代行サービスの提供もあるため、管理者不在時もしっかりとしたサポートが可能です。
【2】Workspace ONE
個人のスマートフォンをビジネスシーンでも利用する場合のある企業では、ひとつの端末でプライベートとビジネスの切り分けができる、Workspace ONEがおすすめです。
スマートフォン端末の中に、ビジネスシーンで利用する領域を構成して、こちらの領域のみを管理者が監視できるようになります。もちろん、EMMだからこそ端末のセキュリティ対策も可能です。
スマートフォン端末・アプリ・コンテンツ・Emailという4つの分野を、このアプリひとつで管理できるようになります。
【3】Ivanti
大企業における本格的なセキュリティ対策にも導入されているIvantiでは、社内の情報セキュリティを確保するとともに、従業員の生産性を高める効果が期待されています。
モバイルデバイス・アプリ・コンテンツ・メールの安全性を確保することで、快適な社用携帯の活用を実現できます。たとえば、現在多くの企業が利用しているMicrosoftのOffice365も、こちらのアプリで安全な利用が可能です。十分なセキュリティ対策を講じつつも、ユーザーとなる従業員の使い勝手を損ないません。
MDMの運用負荷軽減には運用代行がおすすめ
社用携帯のセキュリティ確保に欠かせないMDMツールですが、実際に導入した企業の情シス担当者様からは、以下のような「運用の悩み」が多く聞かれます。
「社員が夜間にスマホを紛失した際、24時間いつでもロック対応しなければならず負担が大きい」
「組織変更や新入社員の入社シーズンに、数百台の初期設定(キッティング)とMDMへの登録作業が集中して通常業務が回らない」
「OSの仕様変更(iOSやAndroidのアップデート)に伴い、MDM側の設定プロファイルを定期的に見直すリソースがない」
IT人材の不足が深刻化する現在、これらのノンコア業務に情シスの貴重なリソースが奪われることは、企業のDX推進の足かせになりかねません。
そこでおすすめしたいのが、「MDMツールの運用代行(BPOアウトソーシング)」の活用です。
MDMの選定から、日々の24時間紛失対応までワンストップでサポートします。
コネクシオでは、本記事でご紹介した「CLOMO MDM」や「OPTiM Biz」をはじめとしたツールの選定・ライセンス提供はもちろん、端末の初期キッティング、さらには24時間365日の紛失対応まで、法人携帯運用のすべてのフェーズをトータルにサポートいたします。
「自社に最適なMDMがわからない」「情シスの管理負荷を減らしてDX業務に集中したい」とお悩みの担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
情シス・IT担当者の負荷軽減がDXの第一歩
社用携帯の導入にあたり、必須のセキュリティ対策であるMDMやEMM。
スマートフォンは電話機能のほかにも便利な機能が多数ありますが、情報漏えいのリスクがつきものです。
どのアプリを導入するべきかは、自社で制限したい内容によって変わります。
最適なアプリを検討したい場合は、コネクシオにご相談ください。
また、MDMやEMMの管理やサポートのコストが気になる場合は、アウトソーシングするのもおすすめです。
現在、IT人材をユーザー企業が確保するのは非常に困難な状況です。自社だけでDX推進、IT活用を進めるにあたり、多くの企業が人材不足によりスピード感が失われている状況です。
DXは経営方針とも密接に連携して進めていく必要がありますので、ロードマップを策定し、必要な人材はアウトソーシングを検討しましょう。
MDMツールのよくある質問
ここでは、MDMツールに関するよくある質問をまとめました。
Q. MDMツールは何ができますか?
A. 端末の一括設定、アプリ配布、紛失時の遠隔ロック/ワイプ、セキュリティポリシー適用などを一元管理できます。
Q. MDMは個人のスマホ(BYOD)にも入れられますか?
A. BYODでもMDMツールの導入は可能です。ただし個人端末はプライバシー配慮が必須なため、社用携帯と同じ強制管理ではなく、業務領域だけを管理する方式が一般的です。
例えば、業務用アプリとデータを“コンテナ”に隔離し、会社はその領域のみパスコード強制や暗号化、紛失時の業務データだけの遠隔削除を行います。
運用のポイントは、就業規則・同意書で「取得する情報」「できる操作(ワイプ範囲等)」「退職時の手順」を明確化し、必要最小限の権限で始めることです。
Q. iPhoneとAndroidでできることは違うのですか?
A. MDMツールでできることはiPhone(iOS)とAndroidで一部異なります。
OSごとに管理APIの範囲や制限が違うためです。
例えばiPhoneは標準機能が統一され、OS更新や紛失時のロック、業務用アプリの配布などが安定して行えます。一方Androidはメーカー差が出やすいものの、Android Enterprise対応端末なら業務領域と個人領域の分離(Work Profile)や業務データのみのワイプがしやすいです。
Q.オフラインだとリモートロック/ワイプを実行できないですか?
A. オフライン状態では即時には実行されませんが、端末がオンラインになった時点で実行されます。
MDMのロック・ワイプ命令は、インターネット通信を通じて端末へ送られます。
そのため、電源OFF・圏外・機内モードなどのオフライン状態では即時実行できません。命令は管理サーバーに保留され、端末がオンラインになり、管理サーバーと通信できたタイミングで自動的に受信・実行されます。
紛失時は、まずMDM側でロックワイプの操作を実行し、併せてSIM停止や回線停止をキャリアに依頼しましょう。
また、パスコード強制・生体認証無効化・証明書/アカウント失効(メールやVPN遮断)を行うことも重要です。














