営業活動は企業にとって不可欠な要素ですが、成果を上げることが難しいこともあります。営業方針や戦略を持っているにも関わらず、なかなか成果に結びつかない場合、その原因を見極め、効果的な営業活動を行うことが重要です。
この記事では、営業活動の見える化と成功へのポイントに焦点を当て、成果を生み出す営業活動や、ハイパフォーマーとの差異、そして効果的な営業活動の分析方法について解説します。営業活動における成果を最大化するための手法やアプローチについて知りたい方に向けて、貴重な情報を提供します。

目次

営業活動の本質とは

営業活動の本質は売上を上げることです。「PayPay」「Salesforce」「キーエンス」など、高い営業力を持つと言われている企業は、強力な営業組織やパートナー組織を築いた上で、優秀な社員またはセールスパートナーが顧客の信頼を勝ち取り、売上を伸ばしています。営業活動の本質を理解し、効果的な営業組織や戦略を構築することが、企業の成功に不可欠です。

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営業活動の種類

営業活動は大きく分けて「新規開拓営業」と「既存顧客営業」の2つに分けられます。それぞれの違いを見ていきましょう。

新規開拓営業

新規開拓営業では、まだ取引のない見込み顧客にアプローチし、新規取引の獲得を目指す営業です。営業担当者は市場調査やリード発見から始め、顧客のニーズを把握し、提案を行います。

既存顧客営業

既存顧客営業は、すでに取引のある顧客との関係を維持・拡大することを目指す営業です。営業担当者は顧客との信頼関係を築き、追加の需要やサービスの提供を追求します。

営業活動における悩み

続いて、営業活動において、よくある悩みを見ていきましょう。

目標管理

営業活動における悩みの一つは目標管理です。企業と営業部の目標から逆算して個別の目標を設定していく必要がありますが、適切な目標の設定は難しく、無理な目標設定をしてしまうと営業担当者のモチベーションに大きく影響します。そのため、目標設定時にはコミュニケーションをとって営業担当者が納得したうえで進めていくことが重要です。また、営業担当者は自身の目標を理解し、達成に向けて計画を立てる必要があり、マネージャーは進捗を細かく確認しながら適切なアドバイスや指導を行う必要があります。

案件管理

案件管理も代表的な悩みの一つです。顧客とのやり取りや進行中のプロジェクトのステイタスを追跡し、営業活動の進行状況を把握できれば、例えば次のステップを計画するなどの適切なマネジメントができます。案件管理にはクラウドシステムなどのツールを活用すると、効率性を高めるとともにプロセスの透明性も担保できます。

行動管理

行動管理では、営業担当者が複数のタスクや顧客とのコミュニケーションを管理しなければならず、悩みの種として挙げられます。効果的な行動管理をするためには、時間の効率的な使い方や優先順位付けが欠かせません。タスク管理ツールやスケジュール管理システムを活用して、行動計画を策定し、実行することが重要です。

営業活動の記録

営業活動の記録を残すということは、営業担当者にとって非常に重要な業務です。但し、こうした営業活動の記録を漏れなく、正確に、タイムリーに行うことは、営業担当者が直面する大きな悩みの一つです。取引先や案件に関する重要な情報として、いつ、誰に、何を言ったかという詳細なデータが十分に残されていないと、効果的なフォローアップや関係構築が難しくなります。取引先との信頼関係が損なわれ、販売機会の喪失や顧客ロイヤルティの低下につながる可能性があります。正確な情報を記録し、適切な管理システムを導入することが営業活動の効率性や成果に直結します。

営業活動の属人化

営業活動の属人化は、個々の営業担当者に大きく依存する傾向があります。
例えば、取引先情報や案件情報、お客様とのやりとりを含む活動情報を営業担当者のみが把握しており、周りの関係者に共有していないといったことです。結果的に大きな売上を生み出すこともありますが、属人化している企業からの売上が大きければ大きいほど、該当の営業担当者が休暇や退職をしてしまった際のリスクは高まります。
営業の属人化は古くからの問題であり、ツールの導入などで対処されてきました。しかし、2021年の株式会社コミクスの調査では、リモート営業化が営業マンの成果をより個人の能力に依存させる要因になっていると回答する経営者が8割を超え、この問題の根深さが浮き彫りになっています。

データを活用した営業活動

営業活動をスムーズに行い、成功に導くためにはデータの活用が重要です。

営業活動で重要なデータとその管理方法

顧客情報や取引履歴などのデータを適切に管理することで、顧客との関係を強化し、効果的な営業活動を展開することが可能です。データ管理の方法としては、クラウドベースの顧客管理システムやCRMツールの活用が一般的です。顧客データをリアルタイムで更新し、必要な情報にいつでもアクセスできます。

営業成果向上のためのデータ分析

売上データや顧客の購買履歴などのデータを分析することで、顧客の傾向やニーズを把握し、個別のアプローチを展開することが可能です。また、営業プロセスの改善や効果的な営業戦略の策定にも役立ちます。

営業活動で評価すべきKPI

営業活動の評価にはKPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicators)の設定が不可欠です。例えば営業KPIでは以下のような指標があげられ、こうした営業KPIは定期的に評価することで、営業チームのパフォーマンスを把握することができます。さらに、KPIの設定には営業活動の目標や戦略に合わせた適切な指標を選定することが重要です。データを活用したKPIの設定と分析により、営業活動の効果を的確に評価し、改善に繋げられます。

営業のKPIの項目例

  • 新規リード獲得数
  • 平均顧客単価
  • 営業活動件数
  • 商談件数
  • 受注率

営業活動の効率化と改善方法

続いては、営業活動の効率化と改善に向けた具体的な手法を紹介します。

営業活動のリアルタイムでの可視化

営業活動の効率化において重要な要素の一つとして、リアルタイムでのデータの可視化が挙げられます。営業担当者やマネージャーがリアルタイムで営業活動や成果を把握することで、必要に応じてアクションを起こすことができるようになります。これにより、営業チームは迅速な意思決定や効果的なリソースの配分を行うことができ、業績の改善につながります。

営業活動改善のためのマネジメントと推進体制

営業活動を効率化し改善するためには、適切なマネジメントとそれを推進する体制が不可欠です。マネージャーやリーダーは、営業プロセスや成果を定期的に評価し、課題や改善点を特定します。また、営業チーム全体が目標に向かって協力し、改善活動を推進するための体制を整えることも重要です。定期的なミーティングやフィードバックの機会を設けることで、チーム全体の意識を高め、効果的な改善を実現します。

営業活動プロセスの細分化と分業体制

営業活動は、顧客獲得からフォローアップ、契約締結まで多岐にわたる複雑なプロセスがあります。効率的な営業活動を実現するためには、これらのプロセスを細分化し、適切な分業体制を整えることが欠かせません。

マーケティング

マーケティングは、潜在顧客を獲得するために、自社の商品やサービスの対象を特定する部門です。Web広告の展開や展示会への参加など、様々な施策を実行する必要があります。

インサイドセールス

インサイドセールスは、マーケティング部門が特定した潜在顧客に対してアプローチし、商談を進める担当部門です。主な方法として、電話やメールを利用して直接接触することが挙げられます。単に商品やサービスを紹介するだけでなく、定期的なコミュニケーションを行うことで、購買意欲を高めるリードナーチャリングが促進されます。

フィールドセールス

フィールドセールスは外勤営業とも呼ばれ、営業担当者がオフィス外に出向いて顧客や見込み顧客との商談や交渉を行います。フィールドセールス部門は、顧客のニーズや要望を直接把握し、より効果的な提案やサービスのカスタマイズに繋げることができるため、多くの業界で重要な役割を果たしています。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、顧客のサポートやアフターフォローを担当し、商品やサービスの最大限の活用を支援する部門です。顧客満足度の向上を重視し、継続的な契約の獲得や、必要に応じて追加販売や関連商品の提案などを行います。

ハイパフォーマーの営業活動

営業活動の成功において、ハイパフォーマーの手法やアプローチは常に注目されます。彼らは、顧客との関係構築や成果を最大化するために独自のスキルや戦略を持っています。ハイパフォーマーの営業活動を参考にする価値がある理由や、彼らの特長について考えてみましょう。

ハイパフォーマーとは

ハイパフォーマーとは、通常の営業担当者よりも優れた成績を上げる人のことを指します。高い売上や顧客獲得数などの指標でその能力を証明しています。単なる売り手ではなく、顧客との信頼関係を築き、長期的なパートナーシップを構築する能力を持った人がハイパフォーマーとなるのです。

ハイパフォーマーの特長

ハイパフォーマーの特長は様々ですが、主なものには次のような点が挙げられます。

  • 顧客のニーズを深く理解し、適切なソリューションを提供する能力がある
  • 優れたコミュニケーションスキルや交渉力を持ち合わせており、顧客との信頼関係を築くことができる
  • 自己管理能力が高く、目標に向かって効果的に行動することができる

社内のハイパフォーマーの営業活動を参考にする

多くの企業ではハイパフォーマーは社内に存在し、売上の多くが彼らに依存しています。一方で、そのノウハウは共有されていないことが多く、売上を最大化できていないというのはもちろん、ハイパフォーマーが退職した際などのリスクを抱えています。ハイパフォーマーの営業活動を参考にし、新たなハイパフォーマーを生み出すことは、企業全体の営業活動を成功させる上で効果的です。但し、様々な側面から評価しなければ誤った方向に進む可能性もありますので、以下の3つのポイントを押さえて進めるようにしましょう。

ハイパフォーマーへのヒアリング

ハイパフォーマーへのヒアリングは、彼らがどのようなアプローチや戦略を用いて顧客との関係構築や成果を出しているかを知る上で重要です。彼らは顧客とのコミュニケーションや提案方法において独自のノウハウを持っており、ハイパフォーマーに直接話を聞くことで、顧客へのアプローチ方法や提案資料の内容、そして彼らがどのように顧客のニーズに応えているかを理解することができます。
ハイパフォーマーからの情報収集を通じて、営業活動における新たなアイデアやアプローチ方法を発見し、成功手法を取り入れることで、全体の営業活動の効果を向上させることができるでしょう。

ハイパフォーマーのマネージャーへのヒアリング

ハイパフォーマーのマネージャーへのヒアリングは、彼らがどのような戦略やアプローチを用いて成功を収めているかを客観的な視点で理解するために有益です。彼らはチームメンバーの指導やサポートを行い、営業活動におけるベストプラクティスを熟知しています。ハイパフォーマーがどのようなアクションを起こしているのか、顧客との関係構築や成果を最大化するためのポイントを学ぶことができます。

ハイパフォーマーの営業活動データの分析

ハイパフォーマーの営業活動データの分析は、彼らがどのような行動や戦略が成功に繋がっているのかという事実を定量的に把握するために重要です。彼らの営業活動データを分析することで、顧客とのコミュニケーションの頻度や内容、提案の方法、成約率の高い商品やサービスなど、成功の秘訣を見つけることができます。

営業活動の見える化のためのおすすめツール

ここまで、売上最大化に向けて営業活動がどうあるべきか、またデータマネジメントの重要性についてお話ししてきました。では、あるべき姿を実現するためにも営業活動の可視化や分析にどのようなツールが有効か見ていきましょう。

Excel

Excelはデータの入力から分析まで幅広く対応可能であり、営業担当者は売上データや顧客情報を整理し、可視化することができます。普段から使い慣れている方も多く、ユーザーの早期の定着が期待できますが、大量のデータ蓄積には不向きで、結果的に複数ファイルでの管理などが起きやすく、分析がしづらい、またそもそもの利便性が損なわれるということがあります。

Salesforce

Salesforceはクラウド型の営業管理ツールであり、EXCELとは異なり、顧客情報、案件情報、営業活動のデータを一元的に管理することができます。それぞれのデータと関連付けることで、営業活動においても高度な分析ができ、より高い成果を生み出すための改善策を取ることが可能です。また、モバイルとの親和性の高いSalesforceを活用することで営業担当者は、場所を選ばずどこからでも顧客とのコミュニケーション履歴や商談の進捗状況をリアルタイムで把握し、効果的な営業活動を展開することができます。
入力フォームもカスタマイズが可能で、ユーザーへの定着が進みやすいというのも特長です。

まとめ

この記事では、営業の成果が出ずに困っている方に向けて、成果を生み出すための営業活動や、ハイパフォーマーとの差異、そして効果的な営業活動の分析方法を紹介しました。
データを活用した効果的な戦略やプロセスの細分化により、営業活動における効率性や効果的な行動を促進できます。また、ハイパフォーマーの営業活動を参考にすることで、成功への道筋を見出すことも可能です。
まずは自社の参考となりそうな資料のDLやウェビナーの閲覧、現状分析から始めてみましょう。

営業活動の改善に向けた可視化や分析の際はコネクシオにご相談ください 

営業活動を効果的に行うためには、まず自社の営業活動状況や問題点を把握し、分析することが大切です。無計画なデータ収集は逆にリソースを消費し、本来の効果的な営業活動と矛盾する可能性があります。コネクシオでは、効果的な分析を行う際に、どのようなポイントに注意を払うべきかを組み立ての段階からサポートします。

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