【2024年版】MDM(モバイルデバイス管理)のおすすめサービス・製品を比較
企業でのモバイルデバイス活用の流れは、コロナ禍によるテレワーク環境の普及もあって近年急加速しています。そこで課題となっているのが、モバイルデバイスの管理です。社員と端末の紐づけはもちろん、OS・アプリのアップデート管理やセキュリティ対策など、必要な対応をおこなわなければ、端末の紛失やウイルス感染などのリスクと常に隣り合わせになってしまいます。

MDM(Mobile Device Management)サービスは、このようなモバイルデバイス活用上の課題の解決策として注目されています。この記事ではMDMの選び方を解説し、製品を比較します。これを読めば自社でどのようなMDMを導入すればよいのかわかるようになるでしょう。

目次

MDMサービスとは?

MDMサービスとは?

MDMサービスの比較検討を行う前に、MDMとは何かを簡単に解説します。

MDMとは?

MDMとはMobile Device Managementの頭文字をとった略語で、直訳すると「モバイルデバイス管理」という意味になります。(モバイルデバイスは、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどを指します)

MDMは、これらのモバイルデバイスを登録したうえで、その存在や動作状況などについて一元管理を行うものです。セキュリティ上の問題が生じた場合は、通知やロックなどの措置をとる機能があります。

テレワークの普及によりモバイルデバイスは急速に増加し、社外で利用されることが日常になりました。人の手ではもはや管理することはできません。機密情報の漏洩防止や業務効率向上のためにMDMの利用が必須となってきています。

関連記事:社用(法人)携帯の管理コストをかけずにDXを推進する方法

MDMとMAM・MCM・EMMとの違い

ここまで、MDMの機能について述べてきました。モバイルデバイスの管理をさらに細かく分類すると次にあげるものに分けられます。ここでは、MAM、MCM、EMMについてどういう働きをするのか解説します。

MAM
MAM(Mobile Application Management)はモバイルデバイスにインストールしたアプリケーションを制御し、管理できるソリューションです。

MCM
MCM(Mobile Contents Management)は、社内のコンテンツにアクセスできる権限をコントロールするためのソリューションです。

EMM
EMM(Enterprise Mobiity Management)は、モバイルデバイスを統合的に管理できるソリューションです。前述のMDM、MAM、MCMの機能を統合して兼ね備えているものです。

関連記事:MDM(モバイルデバイス管理)とは? EMM、MCM、MAMとの違いとともに解説

MDMかEMMどちらを選ぶか

以前は個人所有のモバイルデバイスをビジネスに活用する「BYOD(Bring Your Own Device)」が注目されていました。しかし、会社が管理していないモバイルデバイスが企業ネットワークに接続されることによって、情報漏洩や不正ログイン、ウイルス感染のリスクが高まることが問題視されました。その結果、「企業が適切に管理したモバイルデバイスを活用する」ことに主流が移りつつあります。

このような変化に伴って、モバイルデバイスをどのようにして管理するかが課題となっています。セキュリティリスクを低減し、効率的な管理を実現するために不可欠なのが「MDM(モバイルデバイス管理)」です。MDMは、紛失時の遠隔ロックや機能制限、位置情報の管理などを可能とします。

さらに、MDMに加え、「EMM(エンタープライズモビリティ管理)」も存在します。EMMは、企業で利用されるモバイルデバイスを総合的に管理するツールであり、MAM(アプリケーション管理)やMCM(コンテンツ管理)なども組み込まれています。

MDMとEMMは、所有する台数の規模やセキュリティをどこまで徹底するかによって決定するとよいでしょう。

MDMかEMMどちらを選ぶか

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MDM選定に忘れてはならない4つのポイント

MDM選定に忘れてはならない4つのポイント

MDMの製品を選定する場合、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。ここではMDM選定に当たって気を付けるべき点を4つご紹介します。

セキュリティは自社での用途に合わせたレベルに

MDMを選定するにあたってまず検討すべきことはセキュリティです。自社で使用しているアプリケーションやグループウェア、メールの使用状況、やり取りしているデータの内容などを十分に検討した上、セキュリティレベルをどこに設定すべきか決めておきましょう。

拡張性を考える

MDM選びの際、限定的な利用を想定してコスト負担の少ないMDMを導入する企業が少なくありません。しかし、モバイルデバイスの利便性が理解され生産性が上がると、活用範囲が広がり、アプリケーションの導入やグループウェアとの連携が必要になることがあります。そのため、初期導入の段階から、製品の拡張性を考慮して選定することが重要です。
拡張性がない場合、管理領域を広げることができず、せっかく導入したシステムも再導入することになりかねません。また、AndroidやiOS、Windows PCやMac OSのモバイルデバイスが混在する環境に対応する場合は、マルチプラットフォーム対応型サービスも推奨されます。

MDM選定の際には、現状に対応するだけではなく、将来的にEMMへと拡張できる可能性も検討しておくとよいでしょう。

サポート体制を考える

使用するモバイルデバイスの数によっては、MDMに関する問い合わせが殺到する可能性があります。そこで重要なのはサポート窓口の対応時間や問い合わせ方法を確認しておくことです。また導入時の支援や、運用上のサポート、操作方法のレクチャーサービスなどが受けられるか確認しておくのも重要です。現時点で不安がなくても、リスクは常にあることを忘れてはなりません。

サポート体制が十分なサービスを選択すれば運用はスムーズになります。日々進化するセキュリティ対策に対応するためのアップデートは頻繁に行われているのか、代行して操作をサポートしてもらえるのかなど確認しておきましょう。

モバイルデバイスが活用されやすい環境を用意する

セキュリティを厳しくすれば使い勝手が制限され使用効率が悪化するため、使用者から不満の声も上がるでしょう。一方で、制限を緩和すれば情報漏洩のリスクが高まります。セキュリティ設定にはこの二律背反性がありますので、自社の取り扱う情報の重要性とユーザビリティの両方を鑑みて決定しましょう。

一目でわかる!MDM/EMM機能一覧

一目でわかる!MDM/EMM機能一覧

モバイルデバイスを管理するためのツールを選ぶには、MDMとEMMの機能とコストの関係やその中身について知っておく必要があります。ここではタイプ別MDM・EMM一覧とその機能について解説していきます。

タイプ別MDM・EMM一覧

タイプ別MDM・EMM一覧

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MDMやEMMは、機能軸とコスト軸の高低により4つの象限に分けられます。この4象限に製品をマッピングすると上の図のように3つのパターンに分類されることがわかります。

機能が高くコストも高い
MAM、MCMなどすべての機能を備えた、大規模なモバイルデバイス管理用のソリューションになります。EMMと呼ばれるものです。

機能が高くコストは安い
比較的コストを抑えつつもセキュリティがしっかりとしたソリューションで機能もプラスされています。MDMの普及版といえます。

機能はそこそこでコストも安い
必要最低限のセキュリティと管理に絞り、コストを抑制しています。コストをかけずに導入したい企業に向いています。

MDM・EMM基本機能一覧

MDMやEMMには以下のような基本機能が備わっています。

ロックやデータワイプなど緊急対応
スマートフォン等を紛失した際に情報漏洩を防止するために、リモートで強制的にロックやデータ消去をする機能です。位置情報を取得するなどの機能もあります。 紛失、盗難の発覚時に緊急措置をとれます。

接続先や機能の制限
管理するモバイルデバイスに対し、WiFi接続先を制限や、カメラ機能・ストレージの使用制限を行うことができます。これにより、業務用以外の用途に使われることを抑制し、仮にモバイルデバイスを私用に用いられた際にも情報が漏洩することを防ぎます。

アプリ管理
業務で使用する自社専用アプリの一斉インストールやアップデート、利用できるアプリの制限を行えます。画面キャプチャの禁止やデータをモバイルデバイスに残さないなどの機能もあります。業務を効率的に行うと同時に、情報漏洩のリスクを減らします。

管理者権限
組織的に何かの実行権限、許可権限を各部署の管理者に任せようとする場合に、その権限設定ができます。管理する情報システム部門の業務効率を改善します。

導入支援、運用支援のご紹介

導入支援、運用支援のご紹介

MDMサービスの導入には、取り扱っている情報の整理、モバイルデバイスで使用しているアプリなどのリストアップと利用状況・運用面の確認、それに応じたセキュリティレベルやルールの検討、導入台数の確認、セットアップ方法やMDMの運用方法の検討などが必要になり、企業内の担当者だけでは導入にあたって困難な点も多く存在します。

また、導入した後でも日常の紛失や盗難時のロックやワイプ、社員の入退社時に行うライセンスの管理など運用業務は多岐にわたりその業務量も膨大です。

そこで、役立つのがMDMの導入支援サービスや運用業務の代行サービスです。導入したいがどこから手を付けていいかわからない、運用のイメージがわかないなどの場合は、こういったサービスの活用を検討してみるとよいでしょう。

まとめ

MDMやEMMの比較・検討ポイントについて解説しました。
ポイントは、自社に合っているか、将来性はあるか、運用しやすいか、の観点から自社の使い方や導入規模を勘案し、安心安全に使用でき、生産効率を最大化するようなツールを選定することです。しかしながらこういった観点で検討することは、経験のない担当者には難しい可能性もあります。他社の動向も気になるところです。
検討に行き詰った場合は、経験豊富な会社のサポートサービスを利用してみるのも選択肢として有力なのではないでしょうか。

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