EPP・EDRの違いとは?役割や機能、選定ポイントを徹底解説

「EPPとEDRはどう違う?」
「導入するときはどちらか一つを選択するの?」

このように、エンドポイントのセキュリティ対策で悩んでいる人もいるでしょう。

EPPとEDRはいずれもエンドポイントを対象にしたセキュリティシステムですが、それぞれ異なる機能を持ち、併用することで効果的なセキュリティ対策が可能です。
なお、エンドポイントとはネットワークに接続するための端末や機器のことで、PCやスマートフォンなどを指します。

本記事では、EPPとEDRの機能や違い、エンドポイントセキュリティ対策の必要性をまとめました。
記事を読み終える頃には、効果的なエンドポイントセキュリティ対策を実施できるでしょう。

【この記事の要約(30秒でわかるポイント)】

EPPとEDRの違い
EPPは侵入を防ぐ(事前防御)、EDRは侵入された後を検知・対応する(事後対応)

なぜEDRが必要か
巧妙化するサイバー攻撃(ゼロデイ攻撃やランサムウェア)を、EPP単体で100%防ぐことは不可能なため

運用課題の解決
人手不足の企業には、監視・対応をプロに外注できる「MDR(Managed Detection and Response)」の活用も有効

EPP・EDRとはどのようなもの?

EPPやEDR とは、いずれもエンドポイントのセキュリティ対策システムです。
「そもそもエンドポイントとは何のこと?」と、疑問に感じる人もいるでしょう。

ここでは、エンドポイントやEPP・EDRのそれぞれを詳しく解説します。

エンドポイントとは

エンドポイントとは、ネットワークに接続するための端末や機器のことです。
IT用語の1つで、ネットワークの終点を表し、ユーザーが操作するPCやタブレット端末・スマホなどを指します。

エンドポイントは、企業データへの入り口であり、本質的に攻撃に対して脆弱であるため、マルウェアから狙われやすいといわれています。

また、エンドポイントは、ユーザーが直接操作するものです。
そのため、ユーザーの行動に起因するセキュリティリスクが伴うことが考えられます。

さらに、エンドポイントとなる端末の種類やアクセスする場所は、増加傾向にあります。
オフィスに置き換えると、PCやスマホなど従業員の数以上にエンドポイントが存在する可能性があり、それだけリスクを抱える可能性がある点を覚えておきましょう。

EPPとは

EPPとは、エンドポイント保護プラットフォームのことです。
正式な英語表記は「Endpoint Protection Platform」となり、マルウェア感染の防止に特化したシステムを指します。

​​​そもそもマルウェアとは、コンピュータウィルスやワームなどを含む悪意のあるソフトウェアの総称です。

エンドポイントにダウンロードされたマルウェアを検知し、自動的に駆除したりマルウェアが実行されないように隔離する機能を提供します。
エンドポイント端末に対して、マルウェアの侵入を防ぐ「盾」のような役割を担う点が特徴です。

​​​これまでは、シグネチャをもとにしたマルウェア検出がメインでしたが、現在は振る舞い検知や機械学習などの技術も採用されています。
なお、シグネチャとは、マルウェアの特徴的なデータ断片や受信データパターンなどのことです。
一般的なアンチウィルスソフトでは、シグネチャのログをもとにマルウェアを特定しています。

EDRとは 

EDRとは、エンドポイントのふるまいを監視することで不審な挙動の検知と対応を行うセキュリティシステムです。
正式名称は「Endpoint Detection and Response」となり、マルウェア侵入後の対応を支援するシステムを指します。

たとえば、マルウェア感染した端末がさらなる不正プログラムをダウンロードする挙動を捕捉したり、C&Cサーバとの通信を捕捉することで、セキュリティ侵害の予兆を検知できるようになります。

また、マルウェアの侵入経路を調査する場合に、ログをもとに情報提供が可能です。

EDRは、エンドポイント端末にマルウェアが侵入した後の感染拡大を防ぎ、迅速な対応を促します。

EDRについては、​こちらの記事で詳しく解説しています。
導入で得られる効果も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

EPPとEDRの違い

EPPとEDRの違い

EPPとEDRの違いを以下の表にまとめました。

EPP
EDR
役割

マルウェアの侵入を防ぐ

マルウェア侵入後の感染拡大を防ぐ

機能

マルウェアの攻撃を検知
攻撃を自動でブロック
調査・解析・復旧

リアルタイム検知
マルウェアを封印
調査・解析・復旧

検出方法

シグネチャ
パターンマッチング
振る舞い解析
機械学習

ログをもとにリアルタイムで検知

EPPとEDRの主な違いは「マルウェアに対してどのタイミングでアプローチするか」です。

マルウェアに侵入される時点を軸に考えると、マルウェアの侵入を防ぎたい場合はEPP、マルウェアの侵入後に対処したい場合はEDRとなります。

また、EPPの検出方法は一般的にシグネチャやパターンマッチングをもとに行いますが、中には振る舞い検知や機械学習によるものもあります。

一方で、EDRはログをもとにリアルタイム検知を行うため、迅速な対応が期待でき、後からログを参考に対策​​することも可能です。

EPPとEDRは、いずれもエンドポイントのセキュリティ対策システムとなりますが、それぞれ異なるタイミングで力を発揮するため、どのように使用するかよく検討しましょう。

EPPとEDRは併用したほうがよい?

結論からいうと、EPPとEDRは併用がおすすめです。

EPPは、エンドポイントに対する脅威の予防が主な目的となります。
一方で、EDRはエンドポイントに発生したセキュリティイベントや脅威を検出して分析・対応する能力を重視するシステムです。

互いの強みを組み合わせ​​て、マルウェアの侵入前・侵入後の両方のセキュリティ対策を​​講じることができます。
併用することで、強度の高いセキュリティ対策が可能です。

EDRが注目されている背景

エンドポイントのセキュリティ対策として​​一般的なのは、EPPの導入です。
​​​しかし、近年サイバー攻撃の高度化や巧妙化が進み、マルウェアの侵入を完全に防ぐことが難しくなりました。

EPPだけでは防御しきれない部分を補う役割として、EDRが注目されています。

ここでは、EDRが注目される背景を詳しく紹介します。

ルウェアを早期発見できる

​​​EDRは、ログをもとにリアルタイムで監視するため、マルウェアをすばやく発見できます。

実際にマルウェアの侵入を検知してから影響範囲の特定を迅速に行うため、事故発生から対応までの時間を短縮できます。

EPPの「盾」をかいくぐったマルウェアを早期に検出・分析するので、被害​​が拡大する前に必要な対策​​を講じることができます。

テレワークへの対策もできる

​​​EDRの導入により、テレワークへの対策も可能です。
テレワークの普及により社内と社外の区別が曖昧になり、スマホやタブレットなどの端末のリスクが増加傾向にあります。

エンドポイントを保護するには精度の高い検知や迅速な復旧対応が求められますが、EDRを導入することでテレワーク中の被害にも適切な対処ができます。

たとえばテレワークを行っている誰かのPCでマルウェアの侵入を許した場合、​​オフィスにいないためどうしても対応が遅れることが予想されるでしょう。
この場合、EDRにより適切な対処法を提供してもらうことで、迅速な対応が可能です。

このように​​、テレワークの普及や端末の増加によりマルウェア被害のリスクが高くなるため、エンドポイントの適切なセキュリティ対策が求められます。

被害の詳細を把握できる

​​​EDRを導入することで、被害の詳細を把握できます。
EDRによって集められた情報は、サーバ上にログとして蓄積されるためです。

現にマルウェアの侵入を検知すると、早急に原因の究明や侵入経路の特定、影響範囲などが調査されます。
調査結果が記録されるため、攻撃の手口や被害範囲などを詳細に把握でき、十分な対策の検討が可能です。

EPP・EDRと関係性のある4つの用語

IT用語には、EPPやEDRのように英語の頭文字を並べた言葉が多く存在します。
その中でも、EPPやEDRと関係性のある4つの用語を紹介します。

NGAV(Next Generation Anti-Virus)

NGAVとは「次世代型アンチウィルス」のことで、​​振る舞い検知や機械学習などの技術を使用してマルウェアの検出をします。
EPPの1つで、複合的な検知方法を用いる点が特徴です。

すでに知られているマルウェアだけではなく、未知のマルウェアや高度な持続的脅威なども検知できるため「次世代型」と注目されています。

振る舞い検知とは、プログラムの挙動や行動パターンをもとにマルウェアかどうかの判断を行う手法です。
そのため、シグネチャの存在しない未知のマルウェアも​​検出できます。

また、機械学習とはアンチウィルス自身が膨大なデータを自動で学習することで、そこで得たデータを解析してマルウェアの検出を行います。
マルウェアを高精度で検知する点が魅力で、振る舞い検知と相性がよく、未知の脅威に備えられるでしょう。

DLP

DLP(Data Loss Prevention)とは、情報漏洩を防止するためのセキュリティシステムです。
たとえば、​​個人情報・社内の機密データなど、漏洩や消失を回避したい重要な情報のみを監視して防御します。

機密データの漏洩は、企業の信頼を失う可能性のある重大な脅威です。
そのため、多くの企業で機密データにアクセスする際はIDやパスワードを入力する方法を採用​​しています。​​ 
不特定多数がアクセスできないようにしています。

しかし、この方法は内部からの情報漏洩に弱いです。
DLPは、機密データの監視だけではなく、送信やコピーの制限ができるため、外部・内部を問わず情報漏洩対策を強化したい企業に注目されています。

NDR

NDR(Network Detection and Response)とは、ネットワークのトラフィックを収集・監視して異常を検知するシステムです。
EPPやEDRは​​エンドポイントのセキュリティ対策のため、監視する対象が異なります。

EDRと同様に、リアルタイムで異常の検知が可能です。
迅速な対応によって、マルウェアの感染拡大や情報漏洩の被害を最小限に抑えられます。

NDRとEDRを組み合わせることで、ネットワークからエンドポイントまでのセキュリティ対策を網羅できるでしょう。

XDR

XDRとは、エンドポイントを監視するEDRとネットワークを監視するNDRの機能が統合されたものです。
XDRは「Extended Detection and Response」の略称で、「Extend」は拡張​​を意味します。

エンドポイントとネットワークのどちらに対してもインシデント調査を行えるため、真の原因を特定し、脅威の封じ込めが可能です。
NDRとEDRの組み合わせと同様の効果が期待できます。

EDRサービスを選ぶ際の3つのポイント

EDRサービスを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。

EPPだけで不安な場合は、EDRの導入がおすすめです。
選ぶ際のポイントを把握して、自社にあったEDRサービスを選択しましょう。

対応範囲と検出能力が十分であるか

自社のセキュリティ要件を把握して、対応範囲や検出能力・分析機能が十分であるかを確認しましょう。
マルウェアの検知に使用するアルゴリズムは、サービスによって異なるためです。

そもそも自社のセキュリティ対策として適切なものでなければ、導入する意味がありません。
自社の環境をしっかりと把握したうえで、適切なシステムを導入しましょう。

自社環境との親和性があるか

​​​​​​​EDRを比較選定する際は、自社環境との親和性があるかを確認しましょう。

親和性を無視して、一からシステムを構築すると膨大な費用が必要となり、導入までに時間を要します。

導入済のセキュリティシステムとの親和性を考慮することで、導入コストも抑えられ、できるだけ早いタイミングでの導入が可能です。

運用サポートが充実しているか

​​​​​​​EDRシステムの機能性だけではなく、運用サポートが充実しているかを確認しましょう。
EDRの運用やメンテナンスには、専門的な知識が必要となるためです。

実際にトラブルが起きた際に、自社のエンジニアでは対応できない可能性もあります。
​​​適切な対処ができる専門のエンジニアからのサポートが受けられるかなど、運用サポートの充実度を考慮しての選択が重要です。

モバイルデバイスを保護するなら「MTD」と「MDM」の併用もおすすめ

EPPやEDRは主にPCやサーバーをサイバー攻撃から守るためのものですが、業務で利用するスマートフォンやタブレットにも同様のセキュリティ対策が必要です。

モバイルデバイスを保護するためには、「MTD(モバイル脅威対策)」と「MDM(モバイルデバイス管理)」の併用が推奨されます。

MTD(Mobile Threat Defense)とは

​​​​​​​悪意のある不正アプリのインストール、危険なフリーWi-Fi経由の通信傍受、SMSを利用したフィッシング詐欺(スミッシング)など、モバイル端末特有の脅威を検知・ブロックするセキュリティソリューションです。
いわば「モバイル版のEPP/EDR」として、目に見えないサイバー脅威から端末を防御します。

MDM(Mobile Device Management)とは

​​​​​​​従業員が使用するスマホやタブレットの「設定やルール」を一括管理する仕組みです。
パスワードの長さやロック画面の解除方法、インストールできるアプリなどを制限し、違反が起きた際には管理者に通知したり、紛失時に遠隔で端末をロック・初期化したりすることができます。

つまり、MTDがマルウェアなどの「外部からのサイバー攻撃」を防ぐ対策であるのに対し、MDMは適切な使い方を統制して「内部のルール違反や物理的な紛失リスク」を防ぐ対策といえるでしょう。
この2つを組み合わせることで、強固なモバイルセキュリティが実現します。

コネクシオでは、15年以上にわたって57万回線以上のモバイル端末の運用管理に携わってきました。導入から運用まで、法人携帯に関するお悩みの解決をサポートいたします。

ヒアリングをもとに、お客様の環境に合ったMTDやMDMのご提案も可能ですので、PC向けのEPPやEDRだけでなく、モバイルデバイスのセキュリティにも興味がある担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

デバイス管理の基本であるMDMでできることについては、以下の記事もご覧ください。

EPP・EDRはいずれもエンドポイントのセキュリティ対策を担う

EPPやEDRは、いずれもエンドポイントのセキュリティ対策を担うシステムです。
EPPはマルウェアの侵入を防ぎ、EDRは侵入したマルウェアの検知や対策を支援します。

どちらもエンドポイントに対するセキュリティ対策ですが、対象範囲が異なるため、併用することでより高度なセキュリティ対策が期待できるでしょう。

また、ビジネスでスマホやタブレットなどのモバイル端末を導入する場合は、MDM​​との併用もおすすめです。
エンドポイントの数が増えるほど入念なセキュリティ対策が必要となるため、自社の使用状況を考慮したセキュリティ対策を選択しましょう。

自社の課題に合わせて選ぶ!コネクシオのエンドポイントセキュリティ

コネクシオのエンドポイントセキュリティ

「EPPとEDRの両方が必要なのは分かったけれど、自社にセキュリティアナリストがいない」とお悩みの企業向けに、コネクシオではお客様の課題別に2つのサービスをご提供しています。

ライセンス提供から製品サポート、構築支援まで一括でご提供可能ですので、PCのセキュリティを強化したいお客様は、ぜひコネクシオにお任せください。

クラウド型EPP「セキュアブロック by トレンドマイクロ」

​​​​​​​「セキュアブロック by トレンドマイクロ」は、AI技術や挙動監視などの次世代技術(NGAV)を標準搭載したクラウド型EPPです。

主な特徴

パターンファイルでは検出できない未知の脅威(※)をAIが自動ブロック。
クラウド管理のため社内サーバーは不要で、社外へ持ち出すPCもリアルタイムで一元管理できます。
(※すべての未知の脅威に対応するものではありません)

こんな企業におすすめ

「社内PCのウイルス対策ソフトがバラバラ」「社外に持ち出すPCのセキュリティを強化したい」という企業に最適です。

クラウド型EDR「セキュアソナー by トレンドマイクロ」

​​​​​​​「セキュアソナー by トレンドマイクロ」は、EDR機能に加えて、事前防御の「EPP機能(セキュアブロック)」と「24時間365日のプロによる監視・対応(MDR機能)」を丸ごと内包したソリューションです。

主な特徴

侵入時の原因特定や端末隔離などのEDR機能に加え、トレンドマイクロ社の専門アナリストが24時間体制で監視・対応します。

こんな企業におすすめ

「高度なセキュリティ体制を作りたいが、専門知識を持つ専任担当者がいない」「夜間や休日のアラート対応までカバーしたい」という企業におすすめです。

EPPとEDRに関するよくある質問

ここではEPPとEDRに関するよくある質問についてまとめました。

EPPとEDRのどちらから優先して導入すべきですか?

​​​​​​​まずはEPP(特にAI搭載の次世代型EPP/NGAV)の導入が先決です。

水際の防御がない状態でEDRを入れても、毎日大量の攻撃を防ぎきれず現場が混乱します。まずはEPPで侵入を可能な限り防ぎ、予算や運用体制に合わせてEDRまたはMDRを追加していく対策が一般的です。

なお、コネクシオの「セキュアソナー by トレンドマイクロ」のように、EPP・EDR・MDRがすべて含まれている製品を選ぶのもおすすめです。

EPPとEDRを導入すれば、端末の紛失・盗難対策も安心ですか?

​​​​​​​いいえ、物理的な紛失・盗難対策には別途MDM(モバイルデバイス管理)や遠隔消去ソリューションが必要です。

EPP/EDRはサイバー攻撃やマルウェア対策のツールであり、外出先での置き忘れや盗難によるデータ流出を防ぐ機能(遠隔でのロックやデータ消去)は備えていません。サイバー対策には「EPP/EDR」、物理対策には「MDM」や「遠隔消去ソリューション」という組み合わせが必要です。

コネクシオでは、EPP/EDRによるサイバー攻撃対策だけでなく、MDMや「TRUST DELETE」まで提供していますので丸ごと対策したい方はご相談ください。

専門知識を持つセキュリティ担当者が社内にいませんが、EDRは運用できますか?

​​​​​​​コネクシオの「セキュアソナー by トレンドマイクロ」なら運用可能です。

本来、EDRのアラート分析には高度なスキルが必要ですが、「セキュアソナー」には24時間365日の監視対応サービスが含まれているため、自社で専門知識を持たなくても安心して導入・運用できます。

MWPO編集部
MWPO編集部
コネクシオ株式会社が運営する「Mobile WorkPlace ONLINE」の編集部。 法人携帯に関するお役立ち情報を発信していきます。

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