MTDの基本を解説!重要性やMDMとの違いは?

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末は、今や業務に欠かせない存在です。
しかし、同時にサイバー攻撃の標的にもなりやすく、情報漏えいなどのリスクを常に抱えています。
そこで注目されているのが、「MTD(Mobile Threat Defense)」です。
本記事では、MTDの基本的な仕組みや導入の重要性、そしてMDM(Mobile Device Management)との違いについて詳しくご紹介します。
モバイル端末を活用する企業の担当者はぜひ参考にしてください。
MTDとは

MTD(Mobile Threat Defense)とは、「モバイル脅威防御」または「モバイル脅威対策」を意味する言葉です。
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を標的とするサイバー脅威に対応するためのセキュリティ対策を指し、リアルタイムで脅威を検出・排除します。
近年では、業務にスマートフォンやタブレットを活用する企業が増え、社内の情報資産へモバイル端末からアクセスする機会が増加しました。
それに伴い、マルウェアやフィッシング攻撃など、モバイル端末を狙った攻撃リスクも高まっているため注意が必要です。
このような背景から、モバイル環境の安全性を維持するために「MTD」を導入する企業は増加傾向にあります。
MTDが重要視されている理由
MTDが重要視されている理由は、テレワークの普及が関係していると考えられます。
総務省実施の「令和6年通信利用動向調査」によると、2024年時点でテレワークを導入している企業の割合は約47.3%です。
2021年以降は減少傾向にありますが、働き方の選択肢としてはまだ多いといえるでしょう。
このとき、セキュリティ対策が十分に施されていないスマートフォンやタブレットなどを業務に使用すると、サイバー攻撃の被害に遭うリスクが伴います。
例えばセキュリティレベルの低いネットワークに接続することなどから、情報漏えいにつながるケースもあるでしょう。
このようなリスクを回避するために注目されているのが「MTD(Mobile Threat Defense)」です。
MTDは、モバイル端末への攻撃をいち早く検知し、被害の発生を防止するための仕組みで、情報漏えいなどのリスク軽減に大きく貢献します。
企業の信頼性を守るためにも、MTDの導入は欠かせない重要なセキュリティ対策といえるでしょう。
出典:総務省「通信利用動向調査」
MTDとMDMの違い
MTDとMDMは、どちらもモバイル端末のセキュリティ強化や管理を行うために欠かせない仕組みです。
それぞれの特徴を表にまとめました。
MTD (Mobile Threat Defense) |
(例)ウイルス検知、フィッシングサイトへのアクセス防止、脆弱性の監視、ネットワーク接続の安全性の確保など |
|---|---|
MDM (Mobile Device Management) |
(例)端末の利用状況の把握、紛失盗難時の遠隔ロックやデータ削除、アプリのインストール制限など |
MTDは「防御」、MDMは「管理」を担っており、それぞれ導入の目的が異なります。
違いを理解したうえで活用しましょう。
モバイル端末を利用する際に伴うリスク

モバイル端末を利用する場合、どのようなリスクが伴うかを理解しておく必要があります。
ここでは、想定される具体的なリスクをご紹介します。
端末の不正改造や不正操作
モバイル端末を利用する場合、不正改造や不正操作には注意しなければなりません。
不正改造とは、開発元が設定した制限を解除し、端末のシステム管理者として操作できるようにする行為です。
iPhoneの「脱獄(Jailbreak)」やAndroidの「root化」が不正改造に該当します。
不正改造を行うことで考えられるリスクは、以下の通りです。
- マルウェア感染の危険性:制限が解除されることで不正アプリをインストールしやすくなる
- セキュリティ機能の無効化:OSの保護機能が失われ、ハッキングや情報漏えいのリスクが上がる
- 内部不正の発生:従業員による不正操作やデータ改ざんの可能性が高まる
- 感染経路の特定が困難:企業貸与端末で改造が行われると、管理者がリスクを特定できない
また、意図的に情報を持ち出して漏えいさせる・データを改ざんするなどの不正操作が行われる場合もあります。
社内のツールやデータにウイルスやマルウェアが仕込まれる可能性もあるため、不正改造・不正操作が行われないような仕組みを構築する必要があるでしょう。
サイバー攻撃による被害
サイバー攻撃による被害は、企業に大きな損失をもたらす可能性があります。
モバイル端末を狙う主なサイバー攻撃は以下の通りです。
攻撃手法 | 概要 |
|---|---|
マルウェア |
|
フィッシング |
|
スミッシング |
|
SNS乗っ取り・詐欺 |
|
サイバー攻撃を受けた場合は、端末内の顧客情報や業務データが漏えいする、社内ネットワークに侵入されるなどの被害が懸念されます。
企業としての信頼を失ってしまうだけでなく、第三者への被害が拡大する恐れもあるため注意が必要です。
リスクを避けるためには、端末の一括管理や不正アプリのインストールを制限する仕組みの導入、フィッシングやスミッシング対策に関する教育を定期的に実施する必要があります。
個人所有の端末・記録媒体の接続
セキュリティリテラシーの不足により、私物のパソコンやスマートフォン、USBメモリなどを業務環境に接続してしまうケースが考えられます。
私物の端末・記録媒体を企業のネットワークに接続する場合、全体のセキュリティを損なう大きなリスクが潜んでいます。
私物の端末をフリーのWi-Fiに接続して使用することが多い、発行元不明のデータをダウンロードしているなどの場合は、感染のリスクが伴うため注意が必要です。万が一マルウェアに感染した端末を業務用システムに接続すると、業務用端末にまで被害が広がる危険があります。
さらに感染が進行すると、社内ネットワークを経由してほかの端末やサーバーへ被害が拡大するかもしれません。
最悪の場合、企業全体のシステムが麻痺する可能性もあります。
その結果、情報漏えいや業務の停止といった深刻な被害を招く恐れもあるでしょう。
これらのリスクを防ぐためには、従業員一人ひとりがセキュリティ意識を高めると同時に、企業側はセキュリティリスクのある操作の把握や対処を迅速に行える仕組みづくりが必要です。
MTDの機能
MTDには、主に次の5つの機能があります。
- マルウェアの検知
- 脆弱性の管理
- ネットワークの安全な暗号化とモニタリング
- フィッシングサイトへのアクセス防止
- 不正改造の検出
上記の内容について、詳しく見ていきましょう。
1.マルウェアの検知
MTDは、アプリやファイルの挙動を常に監視し、不審な動作を検出する仕組みを備えています。
そのため、既知の脅威だけでなく、まだ発見されていない未知のマルウェアにも対応可能です。
感染の兆候が見られた場合は、アプリの動作を自動的に制限したり、不審な通信を遮断したりすることで、被害の拡大を未然に防ぎます。
このような自動防御の仕組みにより、管理者の負担を軽減しながら企業のモバイル環境を保護する点が特徴です。
2.脆弱性の管理
MTDにはOSやアプリの脆弱性を自動で検知する機能が搭載されており、常時最新セキュリティ状態の維持・管理が可能です。
たとえば未適用の修正プログラム(パッチ)がある場合は、管理者へ通知を行い、迅速な対応を促します。
さらに、検出した脆弱性の危険度を可視化するため、優先的に対処すべき端末を特定し、効果的にリスクを低減することも可能です。
このような仕組みにより、MTDはセキュリティ運用の効率化と全体的な防御の強化に貢献しています。
3.ネットワークの安全な暗号化とモニタリング
MTDは、接続するネットワークの安全性をその場で判定し、セキュリティレベルが低い場合には自動で通信を暗号化する機能が備わっている場合があります。
また、通信に不審な部分がないかを検出できるため、通信の盗聴やデータの改ざん、情報漏えいなどのリスクを回避することもできるでしょう。
特にカフェや駅などで利用されるフリーWi-Fiのようなリスクの高い環境でも、MTDを導入していれば安全に業務を遂行できます。
外出先やリモートワーク中でも、企業データを安心して取り扱える通信環境を確保できるため安心です。
4.フィッシングサイトへのアクセス防止
MTDは、フィッシングサイトへのアクセスを自動的にブロックする機能も備えています。
危険なドメインのデータベースを参照することで、SMSやメール、SNS上のリンクも含め、幅広いフィッシング攻撃から保護してくれます。
さらに、一部の製品ではAIや機械学習を活用し、まだ確認されていない未知のフィッシングサイトもリアルタイムで検出可能です。
万が一、ユーザーが不用意にリンクを開いてしまった場合に、情報漏えいや端末感染のリスクを大幅に減らせる効果が期待できるでしょう。
5.不正改造の検出
MTDは、端末のOSの挙動やファイル構成を監視し、脱獄(Jailbreak)やroot化など不正改造の兆候を検出します。
不正改造が確認された場合は、ネットワークの遮断やアクセス制限などを即時に実施できるため、改造端末によるセキュリティリスクを迅速に抑えられるでしょう。
MTDはモバイル端末を危険から守る重要なシステム

モバイル端末の業務利用が広がる現代では、サイバー攻撃の対象はパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットにも拡大しています。
新たな脅威から端末を守るために、MTDは欠かせないセキュリティ対策です。
MDMだけでは防ぎきれない「マルウェア感染」や「不正アクセス」に、MTDはリアルタイムで検知・防御できるため、企業の重要な情報資産を守る強力な仕組みといえます。
導入にあたっては、自社の運用体制やセキュリティリスクを見直しながら、最適な対策を検討することが重要です。
モバイル端末のセキュリティ管理ならコネクシオへ
モバイル端末の業務利用が広がる中、セキュリティ対策は企業にとって欠かせません。
情報漏えいやデータ消失といったリスクを防ぐためには、目的に応じた適切なセキュリティツールを選び、効果的に運用することが重要です。
特に業務用スマートフォンを安全に活用するためには、端末を一括で管理できる仕組みの導入が必須です。
端末の利用状況を可視化することで、不正アクセスや情報漏えいのリスクを最小限に抑えられるでしょう。
コネクシオでは、セキュリティ課題に対して、ツールの選定から導入、運用支援までを一貫してサポートしています。
企業ごとの環境やニーズを丁寧にヒアリングしたうえで、最適なモバイルセキュリティ対策をご提案いたします。
モバイル端末のセキュリティ管理に関する悩みや課題を抱えている場合は、ぜひ一度お問い合わせください。













