PC-LCMとは?メリットやサービスの選び方について解説

会社のPC管理方法やコストについて、課題を感じている担当者の方もいるのではないでしょうか。
PC管理が適切でなければ、業務効率の低下やセキュリティリスクの原因となり、事業に影響を及ぼす可能性があります。
会社の生産性を高めるには、自社に合ったPCの管理体制を整えることが重要です。
そこで有効な選択肢の一つとなるのが「PC-LCM」です。
今回は、PCのライフサイクルを管理するPC-LCMについて解説します。
会社のPC管理を見直す際に、ぜひ本記事をお役立てください。
PC-LCM(PCライフサイクルマネジメント)とは?

PC-LCMは「PC Life Cycle Management」の略称で、PCの調達から廃棄まで、一連の流れ(ライフサイクル)をまとめて管理する手法です。
PC-LCMを取り入れると、必要な管理業務を可視化できるようになります。
現状の管理プロセスが把握できるため、業務の無駄も省けるでしょう。
このように、PCのライフサイクル全体を見通し、業務効率化を目指すのが主な目的です。
PC-LCMが注目・求められているのはなぜ?
PC-LCMが注目される背景には、企業の IT人材不足が考えられます。
情報システム部門は限られた人員で多くの業務を抱えており、PC管理まで手が回らない状況です。
さらにテレワークの普及も、PC-LCMが求められる理由とされています。
社外でPCを利用する機会が増えたことで、情報漏えいや不正アクセスなどのセキュリティリスクが高まっています。
そのため、従業員が使用するPCを適切に管理し、安全な利用環境を維持することが、企業にとって不可欠です。
PCやソフトウェアの高度化により、管理にはより深い専門知識が求められています。
これにより情報システム部門の負担は増え、ノンコア業務に時間を割かれる状況は避けられません。
PC-LCMを導入すれば関連業務から解放され、情報システム部門は戦略的なコア業務に集中できるようになります。
また、コンプライアンスも重要なポイントです。PCを廃棄する際は、情報漏えい防止のためのデータ消去と、法令に沿った処理が欠かせません。
PC-LCMは、こうした課題をまとめて解決できる点がメリットです。
PC-LCMで実施する4つの項目
PC-LCMは、大きく分けて「調達」「導入」「運用」「返却・廃棄」の4つのフェーズで構成されます。
各項目で何を行うのかを見ていきましょう。
調達
PCを業務で利用するための最初のステップが調達です。
調達では、業務内容や予算をもとに、適切なPCの機種選定を行います。
従業員が快適に業務を遂行できるスペックのPCを選ぶことが重要です。
合わせて、購入やレンタル、リースなど、調達方法の選定も必要になります。
それぞれのメリットやデメリットを比較し、自社に合った方法を選びましょう。
導入計画の策定も、適切に調達するためには欠かせません。
社内ヒアリングや打ち合わせを通じて必要なPCの要件を定義し、導入時期の検討も進めましょう。
導入
調達したPCを使用するには、導入時の設定作業が必要です。
この作業のことを キッティングと呼び、業務で使うソフトウェアのインストールや、社内ネットワークへの接続などの初期設定を行います。
これらの設定を一台ずつ手作業で行うのは手間がかかるため、専門のツールを使って効率化を図ることもあります。
なお、キッティング作業は、社内の情報システム部門で行うことが一般的です。
運用
キッティングが終了すると、いよいよPCを業務で使うフェーズに移ります。
PCを実際に業務で使用するようになると、さまざまなトラブルへの対応が求められます。
たとえば、PCの使い方がわからないという簡単な問い合わせから、ウイルス感染や故障、盗難・紛失などの緊急性の高いトラブルまで、さまざまな事態が想定されます。
これらの問題に迅速に対応し、業務への影響を最小限に抑えることが、運用フェーズの重要な役割です。
返却・廃棄
PCの利用期間が終了すれば、最終的にPCを廃棄する必要があります。
PCを廃棄する際は、データの取り扱いに注意が必要です。
PCの内部には、企業の機密情報や個人情報など、外部に漏れてはならない重要なデータが数多く含まれています。
万が一データの消し忘れなどがあると、情報漏えいなどの深刻なトラブルにつながりかねません。
返却や廃棄の際は専門的な技術を用いてデータを完全に消去し、法令に則って適切に処理することが重要です。
自社でPC管理を行うことの課題

PC管理をすべて自社で行う場合、いくつかの課題に直面するでしょう。
PC管理には、広範な専門知識が求められます。
ハードウェアからソフトウェア、セキュリティに至るまで、対応できる人材の確保や育成は簡単ではありません。
多数のPCの状態を常に正確に把握し続けることは、多大な時間と労力を要します。
誰がどのPCを使い、どのような状態にあるのかを管理するだけでも大きな負担となるでしょう。
また、テレワークなどで多様化したPCの利用環境にすべて対応するのは、手間がかかります。
社内とは異なるネットワーク環境やセキュリティ設定への対応は、情報システム部門の業務を複雑にしかねません。
PC-LCMの仕組みを社内で一から構築し、運用に乗せるまでには相当な負担がともないます。
さらに、 導入後も管理体制が適切に機能しているか定期的に見直し、改善を続ける必要があります。
なお、小規模の事業所であったりPCの所有台数が限られたりする場合は、自社で管理するのも一つの方法です。
しかし PCの管理台数が多くなると手間やコストも増えてしまうため、この場合は専門業者への委託を検討してみましょう。
PC-LCMサービスを導入する4つのメリット
PC-LCMはPC管理の課題を解決する方法の一つですが、うまく運用できなければ期待する効果は得られません。
そこで選択肢となるのが PC-LCMを一貫して委託できる「PC-LCMサービス」を行っている専門業者に依頼する方法です。 ここではPC-LCMサービスを導入する4つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
1. 情報システム部門の負担を軽減しコア業務に集中できる
PC-LCMサービスを導入するメリットの一つは、情報システム部門の負担を軽減できることです。
PC管理業務から解放されることで、担当者はほかの重要な業務に時間を割けるようになります。
休日や夜間の故障、紛失などの緊急トラブル対応からも解放され、従業員の労働環境を改善することが可能です。
これにより、 IT戦略の立案や新規システムの導入など、企業の成長に直結する業務へ専念できるようになるでしょう。
専門知識が必要な業務を外部委託することで、担当者の負担軽減にもつながります。
2. PC関連コストの可視化と最適化につながる
PC-LCMサービスを利用すれば、コスト面で得られるメリットも大きいです。
専門業者による一括調達で、PCの購入費用をおさえられる場合があります。
さらに、PC1台あたりの管理費用が明確になり、ITコスト全体の可視化が進むことで、無駄な支出や隠れたコストを洗い出しやすいです。
PCの導入と更新を計画的に行うことで予算化がしやすくなり、古いソフトウェアの買い替えなどの突発的な費用の発生を防げるでしょう。
3. セキュリティを強化できる
セキュリティレベルの向上も PC-LCMサービスを導入する重要なメリットです。
専門家が、会社のセキュリティポリシーに沿ってすべてのPCに共通の設定を適用することで、従業員ごとに発生する設定のばらつきをなくし、セキュリティレベルを均一に保てます。
また、リモートロック(遠隔でのPCロック)やログ管理(不正アクセスやシステムの異常の特定)などで、PCのセキュリティを強化することも可能です。
紛失や盗難時にも、情報漏えいのリスクを軽減できるでしょう。
PCを廃棄する際も、専門業者が専用のソフトウェアを用いて適切にデータを消去するため、情報漏えいの心配がありません。
4. 適切なサポートを受けられる
PC-LCMサービスを導入すれば、従業員は、質の高いサポートを受けられるようになります。
PCの操作方法から故障時の対応まで、専門知識を持つスタッフによる適切なサポートが提供されるため、従業員の満足度アップにもつながるでしょう。
トラブルが発生した際も、専門家による的確な判断で、問題の早期解決が見込めます。
不具合による業務の中断時間を短くし、事業全体への影響を最小限におさえることが可能です。
結果として、社内にPCサポート担当者を置く必要がなくなり、人件費を削減できる点もメリットです。
自社に合うPC-LCMサービス提供会社の選び方

PC-LCMサービスの効果を最大限に引き出すには、自社に合った提供会社を選ぶことが大切です。
ここではどのようなポイントに注目すべきか、詳しく解説します。
対応している業務範囲を確認する
自社の要求を満たすサービスかを判断するために、以下の4点を確認しましょう。
- 対応デバイスとサービス内容
- キッティングの対応範囲
- 故障時の修理体制
- ヘルプデスクの有無
業者によって対応できるデバイスやサービスは異なります。
スマートフォンも管理対象にする場合は、PCと両方に対応しているかを確認しましょう。
キッティングでは、対応可能なOSや作業範囲が自社の環境に適しているかどうか見極めることが重要です。
特定ソフトのインストールなど細かい要望に応えられるかも事前に確認しておくと安心です。
また、故障時の修理体制、代替機の提供スピード、修理拠点の場所なども、運用トラブルを防ぐために重要な確認ポイントです。
従業員向けの問い合わせ窓口(ヘルプデスク)の有無も選定の判断材料になります。
適切な業者を選ぶためにも、契約を締結する前に、提供されるサービスの詳細を確認することが大切です。
セキュリティ対策の信頼性を確認する
企業の機密情報を守るため、セキュリティ対策の信頼性は必ず確認してください。
PC管理を業者に任せることは、情報漏えいのリスク管理も委ねることだと認識しておくことが大切です。
業者のセキュリティ対策が不十分な場合、企業の機密情報が外部に流出する危険性が高まります。
PC-LCMのサービスを検討する際は、自社が定めるセキュリティ基準を、業者が遵守できるか事前に確認しておきましょう。
国際的なセキュリティ認証(ISMS認証など)を取得しているかどうかも、信頼性を判断する一つの指標になります。
特に、PC廃棄時に内部のデータを完全に消去するサービスが提供されるかは、選定するうえで大切なポイントです。
データ消去証明書を発行してくれるかどうかもチェックしておきましょう。
導入実績が豊富か確認する
委託先の技術力とあわせて、これまでの導入実績も確認しましょう。
多くの企業で導入経験がある業者は、さまざまなノウハウを蓄積しており、安定した運用が期待できるため、予期せぬトラブルが発生した場合でも、実績豊富な業者なら過去の経験を活かした的確な対応が期待できます。
第三者の評価や口コミを確認することで、サービスの客観的な質を判断できます。公式サイトの情報だけでなく、利用者の生の声も参考にしましょう。
また、長期的な視点でサポート体制を確認することも重要です。
PCの利用は数年にわたるため、導入時だけでなく、将来にわたって安定したサポートを受けられるかも確認すべき大切なポイントです。
あらかじめ、長期的なサポート計画や改善への取り組みについて確認しておくと、信頼できるサービスを見つけられるでしょう。
業務効率を向上させるならPC-LCMサービスの導入がおすすめ
本記事では、PCのライフサイクルを一元管理するPC-LCMについて解説しました。
PC-LCMサービスを導入することで、PCの調達から廃棄までを専門業者に委託でき、 情報システム部門の負担軽減やコスト最適化、セキュリティ強化といった多くのメリットが期待できます。
企業の成長において、ノンコア業務であるPC管理を効率化し、本来注力すべきコア業務にリソースを集中させることは不可欠です。
会社全体の生産性を向上させるためにも、まずは自社の課題を洗い出し、適切なPC-LCMサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
PC-LCMサービスの導入ならコネクシオへご相談ください
現代のビジネスシーンでは、PCだけでなくスマートフォンやタブレットも業務に欠かせないツールです。
これらのモバイル端末も、PCと同じように調達から設定、セキュリティ対策、廃棄などのライフサイクル管理が必要になります。
PCとモバイル端末の管理が分断されていると、情報システム部門の負担が増えるだけでなく、セキュリティホールが生まれるリスクも高まります。
だからこそ、これらのデバイス管理をまとめ、効率化することが重要です。
コネクシオでは、長年のモバイル事業で培ったデバイス管理の豊富なノウハウを持っています。
その知見を活かし、PCとモバイル端末をまとめて管理する仕組みをご提案します。
機器のキッティングや、日々の問い合わせに対応するヘルプデスクを一本化することで、情報システム部門の業務負担を削減可能です。
PC単体の管理だけでなく、会社全体のデバイス管理を最適化し、快適な業務環境の構築をコネクシオがサポートします。
PCとモバイル端末の統合管理による業務効率化をご検討の際は、コネクシオへお気軽にご相談ください。












